酒とバラの日々 福岡を中心とした食べ歩き情報と、ワインやおつまみのレシピブログです。 国内、海外の旅行記もやってます。 Twitter：http://twitter.com/ariahisaeda

梅雨入りしてまもなくの6月13日、筥崎宮のあじさい苑が開園中と聞き、出かけてみました。



学生時代を箱崎の街で過ごしたので、筥崎宮は懐かしいです。もっとも学生時代の私にとって筥崎宮はもっぱら放生会の会場ってところでしたが。
並ぶ夜店と人混みとあやしげな見せ物小屋と新生姜の山がイメージ。なしも栗も放生会。
なので筥崎宮が日本三大八幡宮のひとつであるということに気づいたのも今日この頃という有様です。

[5回]

八幡宮ですから、祭神は応神天皇。さらに神功皇后と玉依姫命となっています。
923年ですから平安時代の創建ですね。

それにしても大社筥崎宮となってます。歴史ある大きなお社なんだ、と今更ながら。
筑前国一宮でもあるようです。



はいってすぐに身を清めるためのお潮井があります。福岡の神社ってよくこのお潮井がありますね。昔から海洋民族だったのかも。
そういえば山笠のときも初日に箱崎浜でお潮井取りをし、筥崎宮に参拝します。
山笠は櫛田さんのお祭りですが、八幡宮への敬意と礼も欠かしません。



ご神木の大楠。まるで「指輪物語」のエントもかくやというような面白い形をした大樹です。
夜中に動き出しても不思議はないというか。



筥崎宮は元寇のときに焼かれたという経緯がありますので、元寇関連の遺物が置いてあります。
元寇防塁の石とか、沈んだ蒙古軍船の碇石とか。



そして、なにより楼門を飾る「敵国降伏」の文字。なかなか猛々しい。
これは弘安の役の際、亀山上皇が紺紙に金泥で書いたご宸翰（天皇自筆の文書）を筥崎宮へ奉納したもの。
文禄年間、筑前領主小早川隆景が楼門を造営した時、謹写拡大したのだそうです。

まあ八幡様は軍神ですから。現代でもソフトバンクホークスやアビスパが必勝祈願に訪れるそうですし。



その亀山上皇のご神像が境内に飾られていました。
なんでも長く読売新聞社で保存されていたものが、縁あって筥崎宮に奉納されたものだとか。
平成２３年とありますから去年から飾られるようになったようですね。真新しい奉安殿が築かれていました。



ううむ、それにしても大きい。
こちらも夜に動いても不思議はないかもな感じです。
しかし、読売新聞社はこれを何故、どうやって入手し保管してきたのだろう。



本殿では祝詞があげられていました。



本殿に参拝した後、末社にも。まずは西末社から。




龍王社、若宮殿、仲哀殿、厳島殿、民潤社とあります。
水の神の龍神と、宗像三女神の厳島殿はわかるような気がします。
民潤社はいろいろな神様の合祀らしいです。




で、問題は仲哀殿。こちらの祭神は神武皇后の夫、応神天皇のお父様にあたる仲哀天皇でしょう。
外国遠征にノーといったら、神の祟りで非業の死をとげたという悲しい伝説の残る方。。
八幡宮は全国に無数にあるのにね。

同じく福岡市内にある香椎宮は仲哀天皇を祀る神社だそうですので、こちらにも行ってみなくては。



こちらは東末社。お稲荷さんがあるので、赤い旗がたっていて西より派手目。



狛犬の古さが、歴史を物語ります。

こちらは池島殿、武内社、乙子宮、住吉殿　稲荷社。
海の神様、住吉さんと、商売や田の神お稲荷さんはわかりますが、後は聞き慣れぬ神様。
武内はやっぱり神功皇后や応神天皇に仕えたという陪臣武内宿禰でしょうね。



目をひいたのがたくさんお供えされたわらじ。
池島殿が手や足に御利益のある神様なので、わらじをお供えして、病気平癒を祈り、治癒すると再びわらじをお供えしてお礼参りをするという風習があるとのことです。

この池島殿の神様をネットで調べると祭神は宗像三女神のようですが…。でも東に厳島殿があるからかぶってるような。

私の勝手な想像ですが、民間信仰の名もなき神と入り交じってしまったのではないかと。

八幡社の比売大神も、ここ筥崎宮では玉依姫とされていますが、宇佐神宮では宗像三女神とされていますし。日本の神様は正直言ってカオスでよくわからないです。




それはともかく、池島殿は大祭も執り行われるほどに、今も信仰を集めているみたいです。