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酒とバラの日々 福岡を中心とした食べ歩き情報と、ワインやおつまみのレシピブログです。 国内、海外の旅行記もやってます。 Twitter:http://twitter.com/ariahisaeda

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山吹咲き乱れる松尾大社(京都)

昨年のちょうど今頃、検診のために行った京都で、神社巡りしてきた模様をレポートしたいと思います。

行ったのは京都、嵐山にある松尾大社。正確には「まつのおたいしゃ」と呼ぶのですが、通常「まつおたいしゃ」と言い習わされています。
平安京の仕掛け人、秦氏の氏神で、お酒の神様としても有名です。



春とはいえ、天気も上々。風は少し冷たいですが、空気が清浄で、そぞろ歩きには最高のコンディションです。

松尾大社のご祭神は、山の神、大山咋神 (おおやまぐいのかみ)と海の神中津島姫命 (なかつしまひめのみこと) -一説には宗像三女神の市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)の別名だそうです。



朱い鳥居には榊の小枝の束が12本釣り下げられています。「脇勧請(わきかんじょう)」と呼ばれるものだそうです。



ちょうど山吹祭りが開催されていて、境内には黄金色の山吹の花が咲き乱れていました。
良い折にきたものです。



神社にはつきものの豊かな水をたたえる水路の両側にも、山吹の花の絨毯。
見とれるほどの風景です。

結婚式の記念撮影もやってました。確かに咲き乱れる山吹と白い花嫁衣装はフォトジェニックです。



負けずにあさたれくんも記念撮影。



非常に美しく凝ったつくりの楼門が新緑に映えます。



華やかな本殿です。全国の蔵元からの寄進の提灯がいっぱい。
建物自体は室町時代の創建とか。
さすが古い由緒の神社です。



本殿の横には「松風苑」曲水之庭というモダンでアーティフィッシャルなお庭が。それはそれで、アートな雰囲気ではありますが、なんとなく禅寺っぽいようなw

その向こうには宝物殿があって、有名な松尾大社の木造神像が飾ってあります。もともとは神に姿の求めない神道ですが、平安時代には仏像の影響で神像が作られたとか。
仏像とはまた違った趣の端正な像です。



さらに奧へすすむと滝があり、滝御前と呼ばれる滝神ミヅハノメ様が祀られています。
残念ながらこの日は水量が乏しく、滝としての勇姿は見られませんでした。
京都で雨が降ったら松尾さんの滝を見にいくのが観光通だとか。



松尾大社の神使は亀なので、境内のあちらこちらに亀の置物が置いてあります。



社殿背後には「亀の井」と呼ばれる松尾山からの湧き水の泉があり、名水として名高いそう。
「亀の井」の水は酒に混ぜると腐敗しないとという伝承があるとか。
ご神水として全国の酒蔵からの信仰を集める由縁です。



山吹の花の中を松尾山に分け入ると磐座遙拝所がありました。「御神蹟(ごしんせき)」と称される巨石が見えるはずですが、どれかは見分けはつかず。



御神蹟を間近にするためには、身を清めて、神奈備松尾山に登ると、磐座に辿り着けるはず。そのための小径もあるのですが、安全のため複数人でなければ山に入ることができません。
一人旅の私は泣く泣くあきらめ。次には配偶者を連れてこなくては。



松尾大社を後にして、桂川のほとりにでてみました。こちらは菜の花が絨毯のよう。
これも美しいな。



蕪村の如く、菜の花や月は東に日は西に。
神社の構成要素は、神奈備(山)、磐座(石)、神籬(樹木)とともに水ではないかと思います。それは池や沼だったり、川だったり。境内でクリークのように水が流れていたり、川の側に建っていたり。
松尾大社がこの桂川の側に建てられているのは偶然ではないでしょう。



その後、摂社である月読神社にもお参りしました。
ざわざわと吹き抜ける風にも神威を感じることのできる、清浄な地でした。
壱岐にある月読神社から勧請したとのことですが、こちらも本当に素晴らしい。私好みの神社です。


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ポスポラス海峡クルーズ(イスタンブール)

ボスポラス海峡。アジアとヨーロッパとを分ける海峡。
これが見られるとは。世界史好きには感慨深いものがあります。
イスタンブール旧市街はヨーロッパに突きだした恰好となっています。

国内にアジアとヨーロッパという二つの文化圏を持つトルコというのは、なんとも複雑な国です。



こちらが海峡クルーズ船。思ったより立派な船だし、強い日差しを避ける室内もあるようです。よかった。
(6月とはいえ、トルコの日差しは半端ありません。)



時間がないので、お昼はエクスカーション用のお弁当。サンドイッチとスナックといういささか寂しい布陣でした。それまでが豪華だっただけにね。

パンの美味しいトルコなのに、サンドイッチは残念品質。



元気な欧米人がデッキに出ているのを尻目に、直射日光を避けて室内に籠もる私たち。日やけ怖いし。
サーブしてくれるお兄さんたちもいて、紅茶やゴマパンは無料サービス。

ところでトルコの人たちのサービスはとても心配りが効いているのですが、とにかく開いた皿やカップを下げるのが早い。
カップの下1㎝残っている紅茶の攻防戦を繰り広げるハメになります。いや、別に無料なんだからおかわりもらえば済むことなんですけどね。なかなか貧乏性にはツラいw



お天気は良すぎるほどによく、ポスポラスの海は濃い緑色。内部に引きこもっていても、広い窓の外に広がる美しい海峡の風景は十全に楽しむことが出来ます。

写真の西洋風の建物はドルマバチェフ宮殿
古いスタイルのトプカプを捨て、此方の宮殿へと移ったのだそう。確かに煌びやかで、瀟洒は建物です。



こちらは水辺に突きだしてそびえたつ「ポスポラスの真珠」オルタキョイモスクです。
真珠の名にふさわしい優美な建物。海に突き出した形に、ふと厳島神社の大鳥居を思い出します。



それにしても、ポスポラス海峡沿いには高級別荘地という趣きで、高価そうな住宅が並んでいます。
オスマンベイ地区のゴミゴミした路地とはえらい違いじゃ。



岸辺にて、海水浴を楽しむ人々。砂浜じゃないので、急に深くなりそう。
海峡なので流れもきつそうです。と、要らぬ心配をしたり。



そして眼前に拡がるルメル・ヒサリ。メフメト二世がイスタンブール攻撃に際して築いた要塞です。美しい風景の中に突如あらわれた無骨な石の城。
「イスタンブールの陥落」にも、その名がでてきた威容に圧倒されます。



しかし、こんな至近にこれだけの堅固な要塞築かれてしまうともう勝負は目に見えていたのかもしれず。ビザンチンの人々の絶望に胸痛む、つわものどもが夢の跡でした。

さてこれにてトルコ旅行記を終わりたいと思います。
生まれて初めてのイスラム圏。しかも、なにやら騒然とするトルコ。そして猛暑。と、なかなか自由に動きにくい状態で、たくさんをまわることはできませんでしたが、いろいろと印象的な風景には出会いました。

またトルコの人々はとても親切で、そのホスピタリティでよい旅行ができました。

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トプカプ宮殿-ハーレムを中心にして(イスタンブール)

アヤソフィアと並んで、イスタンブールの大観光地、トプカプ宮殿です。
イスタンブールを陥落したメフメト二世が、治世のために造営したオスマントルコの大本営でしたが、その後、博物館として公開されています。



開館前に「挨拶の門」の前に並ぶ、人人人。これでも、アヤソフィアが休みの時と比較すれば、ましなのだとか。チケット買うのにも一苦労なので、滞在が長いひとや、博物館をたくさん行く予定の人は共通入場券のミュージアムカルテを購入しておいたほうがいいです。



カリグラフィーで装飾された門です。世が世であれば、庶民が入ることができぬこの門。ああ、今の時代で良かった。



これは幸福の門と呼ばれている門。(斜め横から撮っているので門らしくありませんが。)これより内庭に入ります。



最初に目指したのが「ハーレム」。宮殿への入場料とは別に料金が発生しますが、ここは見逃せません。
各国の美姫を集めて、ただただサルタン一人のみのための後宮です。まあ、システムとしての後宮は日本にも「大奥」があったわけですが。江戸城も残ってたらなぁ。

ついつい西洋人の異国への妄想に影響されて、淫靡かつ美麗な女の園をついつい思い浮かべてしまいますが、もちろん妄想は妄想。実際のところハーレムは大奥と同様、もしくはそれ以上に規律の厳しい世界。女性たちは行儀見習いや、踊りや楽器などを叩き込まれたとか。



壁という壁を埋め尽くす伝統的なカリグラフィーと抽象化された草木の紋様と幾何学模様。
ブルーと白の色合いがとても美しいです。



廊下も似たような色調。アクセントにいれられた金地が非常に美しく感じます。



通路のタイルも細かな模様が入っています。



こちらは後宮に仕える女性たちの部屋。ほとんどが異民族との戦争で、戦利品として連れてこられた女性たちです。外出さえままならず、この寂しげで小さなコンパートメントに閉じ込められた一生だったそうです。



対して豪奢な装飾に彩られた王の居室なんですが、広いし、装飾が過剰で正直言って落ち着かねー。

美姫を侍らせての贅沢三昧なのでしょうが、あまり快適とは言いかねる状態の様子。15世紀に作られた城なので当たり前と言えば当たり前。
結局近代になって政治の中心は西洋風のドルマバフチェ宮殿に移ってしまったそうです。居住性悪そうだもんなあ。



とはいえ、この天井の豪華さ。美しさ。こういったドーム型の天井はいたるところにありますが、どれもみなものすごい精密さ。イスラムの技術の高さが伺われます。



廷内にある噴水。水に不足する砂漠の出身であるトルコの人々にとって、贅沢な噴水はなによりの宝であったのでしょう。室内まで噴水で飾ってます。

これまた王者の権力の象徴。




ハーレムには「鳥籠」と呼ばれる一角があります。これは、王位継承権が二位以下の王子たちが、閉じこめられた部屋です。
実はトルコの王室では、長男以外はすべて殺されていたようです。しかし、それではあまりに惨く、また長男に万が一のことがあったときに王系が途絶えてしまうということで、皇太子の兄弟たちはこの部屋に閉じこめられたそうです。長男が無事に王位を継承すれば、一生。

その希望のない生活に、王子たちの中には気がふれたものさえでたとか。

実はこの制度はオスマントルコの弱体化の原因のひとつともなったそう。そりゃそうですよね。下手すりゃここで成年まで幽閉された王子をスルタンとすることになるハメになるわけで。
実際、精神的な障害を抱えたサルタンが誕生してしまい、実際の政治を皇太后が行い、ハーレムが政治を支配する「女人の時代」となったとか。

後宮の政治への関与というのはどの国でも起こったんですね。なかなか興味深い。



格子の窓が確かに鳥籠を思わせる場所です。



鳥籠の外観。

まあ、この中から出られないのは窮屈ではありましょうが、話しに聞いて想像したよりは環境いいかも。ただここは何度も美しく改装されているので、実際に王子たちが過ごしたのはもっと厳しい環境だったのかもしれません。



ハーレムをはなれ、次は噂に高きオスマンの宝物庫へ。



トプカプ宮殿といえば、世界の覇権を握ったオスマントルコの数々の財宝でも有名です。とにかくその持てる宝石類ときたら。
至宝と呼ばれる、エメラルドの短剣やこぶし大の超巨大なダイヤモンドなどなど。イギリスの「アフリカの女王」とどっちが大きいのだろう。
残念ながら撮影はできませんでしたが、圧巻といかいいようがありません。

そのなかでも思わず感嘆したのは卵くらいの大きさのエメラルド。これが20個くらい無造作にかごにいれられてました。ばらばら、と。
いや、もうこの大きさになるとエメラルドには見えなくてただのプラスティックの珠にしか見えませんが。間違いなく本物です。あまりに無造作すぎる。まるで河原でとってきた石みたい。
一個くらいくれないかしらw

いくら古いものとはいえペルシャでは日常品でしかないガラスの杯を後生大事に千年護り続けている本邦とは、富のスケールが違いますな。世界の覇権を握ったオスマントルコの膨大であった国庫を想像させます。



廷内には地中海の花、バラが咲き乱れていました。

他にも広大な宮殿内はいろんな部屋がありましたが、もっとも印象的だったハーレムを中心に紹介しました。

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トルコでの食べ歩きの結果

遅ればせながら新年はじめての更新となります。
今年もよろしくお願いいたします。

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今回はトルコの食事について書いていきたいと思います。お店の名前や外観などの記録が欠けているので、美味しかったものをピックアップしたいと思います。

トルコの食事はとても美味しかったです。いたるところにロカンタ(大衆食堂)があって、美味しいものが安価に食べることができます。イスタンブールだと大体英語が通じるし、料理の名前がわからなくても指さしで選ぶことができます。



どこでも美味しかったのが、このトルコ風ハンバーグ、キョフテです。牛肉や羊肉で作ってあります。ハンバーグよりは歯応えがあって、肉の旨味がギュッとつまっています。

トルコの人たちは遊牧民の子孫ですから、お肉の取り扱いはとても上手です。



こちらはピーマンのドルマ(詰め物)。大きなピーマンの中にピラフが詰められたものです。以前本で読んで、ぜひ食べてみたかったものです。



中に詰められたピラフはトマト味だったので、なんとなくオムライスっぽい感じ。肉厚で甘みのあるピーマンとよくあってました。



こちらはムール貝のドルマ。レモンをぎゅっと絞っていただきます。ムール貝の旨みがピラフにしっかりと吸い込まれていて、なかなかの珍味。酒の肴にぴったりなのであります。ああ、これにワインがあったらなぁ、と思うのですが、残念ながらロカンタでは飲酒は御法度。
スーパーではビールは売っているので、帰路ビールを買って部屋で飲みました。ああ、悲しい下戸の性。



最終日に行ったちょっと小洒落た感じのロカンタにていただいたアーティーチョークの前菜。
日本ではアーティチョーク(あざみ)の根はあまりみかけませんが、空豆に似た味がします。
これはちょっと甘い仕上げで、私の好みじゃなかったのは残念。



メイン料理はチキンのケバブ。一皿にサラダと温野菜、米飯といっしょに盛られています。
なんとなくトルコライスの起源はこれかもしれないと思ってしまいました。
野菜たっぷりでバランスのとれた定食となります。



こちらはラム肉のシシ(串焼き)です。肉料理にまずはずれがありません。ジューシーで適度な歯応えが残っていて。肉を食べているーって感じなのですがまったく臭みがありません。



トマトとキュウリのサラダ。日差しの強いトルコのトマトはとても甘くて美味しいです。
これにかなり辛い唐辛子が載っていて、アクセントになっています。
トルコ料理は全体的に野菜が多いので、かなりヘルシーでバランスがよいです。

なにはともあれどこでも美味しいものをいただきました。ああ、また食べ歩きたい。

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古代史の宝庫 国立考古学博物館(イスタンブール)

ブログの更新お久しぶりです。寒くなって、暑いころのブログを書こうとすると、どうしても筆がすすまず、こんなに遅くなってしまいました。すみません。

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イスタンブールは毎日暑くて、日差しも強く、一日中観光するのは体力的には無理。
ってことで、行きたい場所を絞って動くことにしました。

前日にアヤソフィアに行く途中に存在することを確認したイスタンブール古代史美術館へ。ひとりで動くには、比較的安全な場所ですし、歴史好きには欠かせない場所です。



トルコ国旗のたった美術館入り口。それにしても、苛烈な日差しです。朝なのに。



国立考古学博物館とくくって言っていますが、3つの博物館で形成されていています。考古学博物館と古代オリエント博物館と、タイル博物館。
共通の入場料で三つとも見られるので、なかなかお得と言えましょう。
まずは、とにかく考古学博物館に入りました。



1階の暗い館内、目をひくのは石棺の展示室です。こちらは紀元前5世紀に作られたというリキアの石棺。屋根がロケットみたいになっているのが特徴的。

ギリシャ神話の神々の彫刻が施されています。



もうひとつはアレキサンダー大王の石棺…なはずなおですが、どうもガイドブックの写真と違うなぁ。
こちらも緻密な彫刻が施されています・



オリエント風の棺。
なんとなくエジプトのファラオの棺みたいですね。



そして数多くのギリシャ彫刻。残念ながら頭や顔が失われていたり、手足がもがれていたりと完全なものは少ないのですが、それはそれなりに、不完全であることが魅力というか。
騒乱の歴史を越えて、静かに佇んでいます。



エアコンは入っているのですが、1階は涼しくとも、2階3階と登って行くうちにほとんど効いていません。超がつくほど暑いです。
ひとつひとつを丁寧に見ていくと時間がいくらあっても足らないくらいの膨大なコレクションなのでへとへとに。



お次は装飾タイル博物館です。
優雅な細い柱が装飾となっている建物も素敵。
イスラム世界はタイル芸術の世界。細かい紋様と青い色遣いが特徴ですね。



そのタイルで飾られた暖炉でしょうか。
凝った意匠です。



タイルと同じ模様の水差し陶器も飾られていました。考古学博物館と比較すると少々ボリュームには欠けるものの、日本ではなかなか見かけることのない品々で、訪れる価値はあります。



最後にオリエント博物館に。こういう括りの博物館というのもなかなか珍しい。



古代オリエントはやはり動物柄w ライオンは欠かせません。

館内は人が少なくて、ゆっくり見られるのですが、ふと見ると佇むスカーフをした美女。
トルコは美人さんが多いですが、彼女もそのひとり。
目があってしまい、ニッコリと笑いかけられてしまいました。こっちはドギマギ。
あの印象的で謎めいた微笑み、なんだったんだろうなあ、と思います。



広い館内を見回った後は、庭園カフェで一休み。暑いのでソーダ水を飲みました。ちなみに炭酸水はトルコ語でもソーダです。
スパークリングウォーターと無理していうより通じます。



庭には数々の石像が豪快に放置してあります。飾ってあるというより、本当に放置という状態で。
数が多すぎて、倉庫にすら入り切れていないという感じ。



でも、緑の蔭と歴史を感じさせる彫像たちに囲まれつつ飲むソーダはなかなかでした。
乾燥しているので木陰はかなり涼しく感じます。



博物館の下のほうがどうも発掘の現場だったらしくて、大きな石柱の後なども見ることができます。

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