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酒とバラの日々 福岡を中心とした食べ歩き情報と、ワインやおつまみのレシピブログです。 国内、海外の旅行記もやってます。 Twitter:http://twitter.com/ariahisaeda

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トプカプ宮殿-ハーレムを中心にして(イスタンブール)

アヤソフィアと並んで、イスタンブールの大観光地、トプカプ宮殿です。
イスタンブールを陥落したメフメト二世が、治世のために造営したオスマントルコの大本営でしたが、その後、博物館として公開されています。



開館前に「挨拶の門」の前に並ぶ、人人人。これでも、アヤソフィアが休みの時と比較すれば、ましなのだとか。チケット買うのにも一苦労なので、滞在が長いひとや、博物館をたくさん行く予定の人は共通入場券のミュージアムカルテを購入しておいたほうがいいです。



カリグラフィーで装飾された門です。世が世であれば、庶民が入ることができぬこの門。ああ、今の時代で良かった。



これは幸福の門と呼ばれている門。(斜め横から撮っているので門らしくありませんが。)これより内庭に入ります。



最初に目指したのが「ハーレム」。宮殿への入場料とは別に料金が発生しますが、ここは見逃せません。
各国の美姫を集めて、ただただサルタン一人のみのための後宮です。まあ、システムとしての後宮は日本にも「大奥」があったわけですが。江戸城も残ってたらなぁ。

ついつい西洋人の異国への妄想に影響されて、淫靡かつ美麗な女の園をついつい思い浮かべてしまいますが、もちろん妄想は妄想。実際のところハーレムは大奥と同様、もしくはそれ以上に規律の厳しい世界。女性たちは行儀見習いや、踊りや楽器などを叩き込まれたとか。



壁という壁を埋め尽くす伝統的なカリグラフィーと抽象化された草木の紋様と幾何学模様。
ブルーと白の色合いがとても美しいです。



廊下も似たような色調。アクセントにいれられた金地が非常に美しく感じます。



通路のタイルも細かな模様が入っています。



こちらは後宮に仕える女性たちの部屋。ほとんどが異民族との戦争で、戦利品として連れてこられた女性たちです。外出さえままならず、この寂しげで小さなコンパートメントに閉じ込められた一生だったそうです。



対して豪奢な装飾に彩られた王の居室なんですが、広いし、装飾が過剰で正直言って落ち着かねー。

美姫を侍らせての贅沢三昧なのでしょうが、あまり快適とは言いかねる状態の様子。15世紀に作られた城なので当たり前と言えば当たり前。
結局近代になって政治の中心は西洋風のドルマバフチェ宮殿に移ってしまったそうです。居住性悪そうだもんなあ。



とはいえ、この天井の豪華さ。美しさ。こういったドーム型の天井はいたるところにありますが、どれもみなものすごい精密さ。イスラムの技術の高さが伺われます。



廷内にある噴水。水に不足する砂漠の出身であるトルコの人々にとって、贅沢な噴水はなによりの宝であったのでしょう。室内まで噴水で飾ってます。

これまた王者の権力の象徴。




ハーレムには「鳥籠」と呼ばれる一角があります。これは、王位継承権が二位以下の王子たちが、閉じこめられた部屋です。
実はトルコの王室では、長男以外はすべて殺されていたようです。しかし、それではあまりに惨く、また長男に万が一のことがあったときに王系が途絶えてしまうということで、皇太子の兄弟たちはこの部屋に閉じこめられたそうです。長男が無事に王位を継承すれば、一生。

その希望のない生活に、王子たちの中には気がふれたものさえでたとか。

実はこの制度はオスマントルコの弱体化の原因のひとつともなったそう。そりゃそうですよね。下手すりゃここで成年まで幽閉された王子をスルタンとすることになるハメになるわけで。
実際、精神的な障害を抱えたサルタンが誕生してしまい、実際の政治を皇太后が行い、ハーレムが政治を支配する「女人の時代」となったとか。

後宮の政治への関与というのはどの国でも起こったんですね。なかなか興味深い。



格子の窓が確かに鳥籠を思わせる場所です。



鳥籠の外観。

まあ、この中から出られないのは窮屈ではありましょうが、話しに聞いて想像したよりは環境いいかも。ただここは何度も美しく改装されているので、実際に王子たちが過ごしたのはもっと厳しい環境だったのかもしれません。



ハーレムをはなれ、次は噂に高きオスマンの宝物庫へ。



トプカプ宮殿といえば、世界の覇権を握ったオスマントルコの数々の財宝でも有名です。とにかくその持てる宝石類ときたら。
至宝と呼ばれる、エメラルドの短剣やこぶし大の超巨大なダイヤモンドなどなど。イギリスの「アフリカの女王」とどっちが大きいのだろう。
残念ながら撮影はできませんでしたが、圧巻といかいいようがありません。

そのなかでも思わず感嘆したのは卵くらいの大きさのエメラルド。これが20個くらい無造作にかごにいれられてました。ばらばら、と。
いや、もうこの大きさになるとエメラルドには見えなくてただのプラスティックの珠にしか見えませんが。間違いなく本物です。あまりに無造作すぎる。まるで河原でとってきた石みたい。
一個くらいくれないかしらw

いくら古いものとはいえペルシャでは日常品でしかないガラスの杯を後生大事に千年護り続けている本邦とは、富のスケールが違いますな。世界の覇権を握ったオスマントルコの膨大であった国庫を想像させます。



廷内には地中海の花、バラが咲き乱れていました。

他にも広大な宮殿内はいろんな部屋がありましたが、もっとも印象的だったハーレムを中心に紹介しました。

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