今回の四国の旅の最終日は松山に泊まりました。飛行機に乗るのに気持ちの余裕ができますしね。
ただ、坂出であらんかぎりのスタミナは使い果たしていたので、もう松山ではどこにも行く気力も残ってなくて。
どっか休める場所でもさがすかー、と松山駅に向かうつもりでした。
ホテルの真ん前に路面電車の停留所がありますが、そこで目の前で路面電車に一本行かれてしまいました。
もう少したくさん電車の来る停留所に行こうととぼとぼ歩いていると…
なんだか見慣れたような太明朝の垂れ幕。
「庵野秀明監修 特撮博物館」
ネットで東京の友人たちが見に行ってるのをうらやましく見てたアレだ!
地方へも来るとは聞いていましたが松山だったのかー。しかも後二日で終わるとも書いてあります。
くるーりとUターン。会場の県美術館はすぐそばです。
天佑とはこのことです。もしもあの時電車を逃さなかったら、知らずに福岡に帰ってしまったはず。
[9回]
愛媛県美術館は松山城を望む城山公園の中、堀之内という名の通り、昔のお堀に囲まれる場所に立っています。
広い芝生の中、美術館とともに運動場があったりして、市民の憩いの場です。
松山のお城は本当にきれい。
こちらが会場の県美術館です。
相変わらずけれん味たっぷりのポスター。黒一色のバックに吠える巨神兵と踊る太明朝体。
エヴァの原点はウルトラマンと巨神兵です,と。ま、言われなくても見ればだいたいは。
私は小学校入る前からウルトラの洗礼を浴び、特撮で育ったようなもんの昭和の子供ですから。そりゃ、思い入れはあります。
まあ。女の子がウルトラセブンやミラーマンが好きなんて、おもてだってはなかなか言えない頃でしたが。
会場は二階。会期の終わりにしては見頃な人数です。見る立場からは嬉しいですが(^^;;
東京は見るの大変だったみたいだし。
会場に入る前に、ロビーにあった超遠近法ミニチュアセットで写真を。
中の展示の撮影は不可ですが、このミニチュアセットと、会場最後にあるミニチュアは撮影可能です。
ありがたい心遣いです。
展示物の保護の立場から写真撮影が不可なのは理解しますので、こうやって少しでも撮影可能物を置いていただけると、記念にもなるし。ブログにも上げやすいので宣伝の効果もあると思います。
こういった措置が増えることを願います。
そう、特撮といえばこの送電柱。これを怪獣がなぎ倒すのがお決まりでした。
懐かしい。バチバチと光を放ってね。
そういや、このタイプの電柱、あまり見なくなったような気がします。
さて、その内容ですが、特撮で実際撮影に使用されたミニチュアや資料の展示と、「巨神兵東京に現る」の上映と、そのメイキング映像、そして実際に特殊効果を再現する展示が主要なところです。
ミニチュアや資料はほんとなつかしモードで見ました。ちゃんとジェットジャガーまでいたのはちょっと嬉しかったです。
「巨神兵東京に現る」はエヴァ劇場版の時に見ていたので再見です。とにもかくにも巨神兵迫力の放射火炎発射シーンがすべて。なるほどCGでは出しにくい重量感があります。個人的には一長一短があるかな、と。
それにしてもメイキング映像がとても楽しかった。制作に関わったひとたちがどんなに思い入れがあっての仕事かというのが伝わってきます。これを見てこその「巨神兵東京に現る」なのかな。単体で見た時よりはるかに納得が行きました。これはどう考えてもセットで上映したほうがいいような。
ただ特撮のミニチュアワークは確かにそれでなくてはならない味はあるものの。
銀幕にひとときのまぼろしの世界を形作るという目的の手段のひとつにすぎないので。手段を目的化するのは、何度もやれる手ではないかもなあ、と思った次第。
展示を見、フィルムを二本ゆっくりと見て、最後にお楽しみの撮影コーナーです。
樋口副館長の等身大のパネルがお出迎え。昔の写真に比較すると少しふっくらとされたような。
向こうのほうにある折れた東京タワーが、ガメラを思い出させます。
ギャオスが巣を作ったんだよなあ。
それにしても破壊された街並み、よくできてますね。戦車の汚しがリアル。
みんな巨人になった気分で、楽しげに撮影しています。
しまったよなあ。この旅行、いつものおとものたれを家に置いてきてしまっていて。
巨大化たれぱんだの写真を撮る素敵なチャンスだったのに。
「巨神兵東京に現る」で使われていた室内を精巧に再現したミニチュアです。
これはひいて他の人が撮影している様子を写したので、全体がわかりますが。
こうやって近づくと、もう、そこは朽ちた東京タワーの向こうに巨神兵がいる世界へ。
って、巨神兵のかわりに子供のアタマが写ってますw
(写真は美術館の中庭の樹木。とても綺麗でした。)
ということで、特撮博物館、楽しませていただきました。
東京展が開催中い上京しそこねていたので、諦めていたのに思いもかけずこういう機会があるとわ!
これも御霊のお導きか。
崇徳院もどうせ祟るならば、巨神兵の如くごぶわぁーって巨大火炎をまき散らし大破壊を起こしたかったのでしょう。
日本国の大魔縁ですからね。皇も民もまとめて殲滅だー、みたいな。
思えば特撮映画(怪獣映画)とは祝祭です。
日本の祭りとは災厄の神を一年に一度御輿にかつぎ、暴れて頂くことでその荒魂を鎮め奉ること。とすれば、怪獣映画とは、現代における魂鎮めの儀。銀幕の上で破壊神に思う存分かっこよく都市を壊していただくことで、現実の災厄を眠らせてきたのではありますまいか。
ここのところの日本の不振は、怪獣映画を作り、日本各所の荒魂を鎮めることを怠ってきたせいかもしれません。
ということで各所におかれましては、これを理由にしてスポンサーを口説き落として、おもしれえ怪獣映画の再生を企図していただければ、と思いますです。ええ、マジでマジで。
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