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酒とバラの日々 福岡を中心とした食べ歩き情報と、ワインやおつまみのレシピブログです。 国内、海外の旅行記もやってます。 Twitter:http://twitter.com/ariahisaeda

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天平に思いをよせて 第62回 正倉院展(奈良)

今回の旅行に行く二三日前に奈良で「正倉院展」があっていることに気付きました。一年にたった2週間しかやってない展覧会。この時期に関西にくることは確率的に高くないし。これはどうしても足を延ばさねば。

正倉院展

ネットで調べると大津から奈良までたったの一時間ちょっと。うん、らっくしょー。いいなぁ、関西は交通が便利で。
「正倉院展」と「平城京遷都1300年祭」が重なって、奈良に宿をとることはほぼ不可能な状態とも聞きますし。ここは大津から足を延ばすのが、上策。

ということで朝一番で奈良へ向かいました。

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奈良

大津からは京都へはJR、京都からは近鉄で近鉄奈良へ。
後から気付いたのですが今JRは奈良万葉切符とやらでキャンペーン。これを利用したらかなり安く行けたのでした。とほほ。
近鉄は特急券の買い方がわからずまごまご。なにしろ特急券で全席指定なんだもんなぁ。
時間の余裕は結構あったので、普通で行けばよかったかもしれません。

近鉄奈良に行くと、駅で「正倉院展」のチケットは買えるし、待ち時間も出ているしでいたれりつくせり。そりゃ、ドル箱だもんね。

奈良国立博物館

近鉄奈良からは徒歩で。みんな正倉院展に行ってるなぁ、と思しき人の列。私もその中のひとりとなりました。
で、会場についたら入場まで30分待ちの表示が。

どうも一番間の悪い時に行ったみたいで。結局30分では内部に入れなかったような。
また中に入ったところで、一番の目玉の「螺鈿紫檀五絃琵琶」を見るためにはまた行列。並ばなくても遠くからは見ることができますよと言われましたが、やはりコレ見るために来たんだから。

艶やかな琵琶の胴、端端しい螺鈿の細工。タイマイの紅。1300年という時を越えたとはとても思えない豪奢な楽器です。装飾性、デザイン性の高さ。さすがの逸品と言うしかありません。
照明がややきつすぎて、細部が飛んでしまうのが残念といえば残念ですが、そのかわり琵琶の幽玄さを強調してくれました。

この琵琶、19年ぶりの公開だそうです。

この他、鹿の透かし彫りのはいった銀壺とか、蘇芳地彩絵箱とか、ちょこちょことはあったのですが、あの膨大な正倉院の宝物を思うに、「ケチー!」とついつい言ってしまいたくなります。瑠璃椀もないし…。
どうも毎年少しづつ公開しているようです。
もともと正倉院御物は、時の権力者ではじめて内観が許されたようなもので、足利義満や義政、織田信長が拝観したことが記録に残されているみたいです。平成の世であればこそ、一般人でも見られるんだからよしとしなくちゃなのか…。

ちなみに信長は正倉院の蘭奢待というお香を強権によって賜り、公家から総すかんくいました。これが、信長暗殺の原因のひとつという説もあるしー。

興味深かったのが正倉院が一種の「薬品庫」であったとのこと。当時当然「薬」は貴重品だったし。いろいろと研究なんかも行われてきたのかもしれません。
冶葛(やかつ)というアルカロイド性の毒が展示されていましたが、これは1300年の時を経てもまだ毒の活性が失われていないそうです。うーむ。ついついボルジアの毒的な王朝の闇を感じますなぁ。長屋王が賜った毒もコレだったりして(^^;;

庭

「ケチ」などとといってしまいましたが、正倉院展全部を見るとさすがに疲れ果てました。結構な規模です。待ち時間も長いし、人が多くて、人酔いしたってのもありますが。

奈良国立博物館は上野と同様に、中にきれいな日本庭園を持っているので、しばし休憩。

野点

野点の設備が出ているようで、お抹茶をいただけます。どこかのお茶の先生(家元?)が、お茶を点てていらっしゃいました。おお、さすが観光都市奈良。粋なことをしています。外国人受けしそう。(もちろん、運ばれてくるお抹茶は別のところで点てたもの。直接頂けるわけではありません。ちょっと残念。)

茶

亭主のきりっとした緊張感あふれるお手前を拝見しながら、甘いお菓子と深い緑のお薄をいただくひととき。疲れがとれますねえ。

お茶

写真を撮るのも忘れて自分のお菓子を頂いてしまったので、別のお客さんに配っている様子をちょいと端から撮影。

お饅頭は茶道の基本の薯蕷饅頭。これがもう上品な甘さでふわっとしていて絶品。うわ。一個じゃたりなーい。などというはしたないことを胸のうちで思いつつ。じっくりと堪能しました。

饅頭

薯蕷饅頭の上には花喰鳥(はなくいどり)の紋章が型押ししてあります。この優雅なお饅頭はこの正倉院展期間限定。しかし、お土産には保たないしなぁ。ひとりで4個食べるのも無粋かも、と、その場ではあきらめました。やっぱりこれをいただくには美味しいお抹茶が必須だし。
仏像館

もちろん、滅多に見られない正倉院展は面白かったですが、奈良国立の花はその豊富な仏像コレクション。元気をだして同一チケットで入れるなら仏像館にも足を延ばしました。

この頃になると雨脚をひどくなりお客さんはだんだん減ってきました。どうもこの手の特別展に行く時は午前中ではなく午後のほうがよさげですね。

仏像館

なら仏像館は明治期に建設されたフレンチルネサンス様式に影響を受けた日本人建築家のデザインによる建物。私の大好きな和洋折衷な重厚な洋館です。

内部には、飛鳥から鎌倉に至るものすごい数の仏像が展示されています。これほどの質、量というのは、他所に見ることができません。
ただただ圧倒されるばかり。

骨董品屋

一日で見るには、ちょっと多すぎる展示をこなした後は、すっかり疲れ切っていました。

昼ご飯を食べる場所を探しながら奈良の街を歩きました。街の骨董屋さんになにげなく美術館の目玉にでもなりそうな伎楽面が飾ってありました。すごいな。奈良。

平城京跡

もう疲れていたので、昼食後、奈良から大津に戻ることにしました。途中、近鉄の電車の中から、平城京が見えました。そういえば、平安遷都1300年祭をやってたんだよね。イベントは人が多そうなので、考えてなかったのですが。

イベントの終わり近くなので、正倉院展以上の人出のよう。雨の中、傘をさして人が行列してました。まあ、平城京にはイベント終わってからまたの機会にゆっくりと尋ねることにしましょう。
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