ネットで「大津絵」なるものを見て、専門美術館があるならば、と行ってみたのですが、ちょっと期待した雰囲気とは違ったかな。結構近代的な建物も並んでいるお寺で、水子供養の旗が盛大にはためいていて、ちょっとひいたり。
それにしても、平日とはいえ、観光客らしき人もまったくおらず、場違いなところに来た感じがして、思わず回れ右しようかしらん、と。
やっと奧のほうに、事務局のような場所を見つけて、そこが美術館への入口であることがわかりました。でも、係のひともおらず…。そろそろあきらめようかとしたところで、やっと「いらっしゃいませ」の声。
靴を脱いでお寺の内部に通してもらいました。なるほど、これじゃ外からはわかりにくい。美術館と同時に寺の中も拝観できますと説明されて、順路通りにまずはお庭を見にいきました。
「ごめんね、今、池の清掃中なので、水が入ってないんですわ」と…。
うーむちょっと残念かな。
このお庭、なんの予断もなく入ったので、その素晴らしさに驚きました。池の水こそ確かにひいていましたが、手入れの行き届いた美しい庭木。調和のとれた配置と、小規模ながら立派な庭園。
静かな…本当に静かな雰囲気をひとりじめ。これは贅沢ですね。
素晴らしい庭を拝見しながら、ここでお茶をいただけるのでしょう。真っ赤な野点の傘が飾ってあります。
そして緋毛氈。せっかくならばお茶を頂いてもよかったのですが、なにしろ建物の中誰もいないんですよね(苦笑)
緋色の傘ごしの庭の風景もなかなか風情のあるものです。
襖絵も、絢爛。なにげに重要文化財のようでした。
で、お次は目的だった大津絵美術館へ。
こちらのほうは、ちょっと美術館と銘打つには…規模的につらいかな。個人コレクションの展示といった感じですね。
もともとお土産用の絵だった大津絵は、決まって絵柄があったようです。
尺八を吹く虚無僧もその典型的な絵柄だった様子。虚無僧といえば男性のはずですが、柳腰がいやになまめかしい。
後、よくある絵柄が、この僧侶の衣をまとって鬼の絵。
愛嬌がある感じが楽しいです。
ということで、圓満院を後にして、次は大津歴史博物館へと移動することにしました。
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