バンケットの前に中を見学することができます。そのせいか、結構みんな時間前から来ていました。時間にルーズなこちらのパーティでは珍しい。
でも、貸し切りは博物館の閉館後からなので、準備が整うまで外で待ち。
で、中に入ると巨大船がどどーんとあって、ドキモを抜かれます。でっかい。
英語での説明ガイドも入って、いたれりつくせり?
ヴァーサ号は、17世紀にグスタフアドルフの命によって作られた軍船で、当時のもととしては世界第一級の大きさだったとか。このヴァーサ号、処女航海で、外海にも出ないうちに、突風にあってひっくりかえり、そのまま沈んでしまいます。
世界一の船、処女航海であえなく沈没。うーむ、どっかで聞いたような話だ。タイタニックよ永遠に。
側面には、たくさんの砲塔があり、最強の旗艦を目指したことあることがわかります。敵国ポーランドへの威嚇も含めての巨大艦製造。これも、どっかで聞いたような話。
ただ、この船が沈んだときに多くの人が亡くなりましたが、そのほとんどが船底に押し込まれていた女子供だったそうです。可哀想に。
こうなった次第はいろいろと複雑な様子ですが、結局のところその責任者がはっきりとしないので、船長、建築家などはお咎め無し。
てゆーか、作らせた王様の責任っぽい?
もっとも、こういった船の建築競争がやがては大航海時代への布石となり、ヨーロッパ人が全世界へと出て行くことへの技術的は支えとなったみたいです。
技術の進歩のかげにはいつもこういった数多の失敗があるのです。
そういった顛末とはいえ、国家の威信をかけた旗艦ですから、その作りの精密なこと。特に船尾の彫刻が素晴らしいです。
しかも、このヴァーサ号、80%以上オリジナル部分が残っています。
室内の温度は18℃に固定されています。引き揚げてしまったが故に、ヴァーサ号は年々痛んでしまうので、なんとかこれを保存するためにいろいろと努力されているようです。
「人が見に来ないのが保存には一番いいんですけどね。」とはこのヴァーサ号を研究している人の談。
船尾の船底には、天使がスウェーデン王家を守護する紋章が彫刻されてますね。
マスト付近を見ながらスパークリングワインをいただきました。
このような博物館で、ワイン片手に観賞できる機会はそうそうあるもんじゃないですね。
もっとも、アメリカやヨーロッパではこういった博物館でのパーティってよくあるみたです。
沈む前は、こういった彫刻も含めて色が塗られていて、とても華やかだったようです。
これが当時を再現したもの。
個人的な趣味としては朽ちた姿に美を感じます。
こちらも建造当時を再現した模型です。
引き揚げた時の様子を再現した模型です。
海底にあるヴァーサ号プラスチックモノマーを降らせて固化して引き揚げた様子が表現されています。
なお、船が全体的にてらてらとした光沢があるのは、海から引き揚げる時に保存のために透明なプラスチックモノマーを降らせて固化されたからだとか。
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