さて、いよいよエディンバラ城に入ります。
エディンバラ城は、キャッスル・ロックと呼ばれる古代からの要塞です。
現在の建物はほぼ十六世紀以前のものだそうです。いかめしさ、荒々しさが、その歴史を語ります。
残念ながら、滞在時間がそれほど長くなかったので駆け足での見物でした。
[9回]
入るなり中世の王と騎士の像に出迎えられます。
アーサー王物語の世界ですね。
門の上部にはスコットランドの国章が飾ってあります。
中に入ると、エディンバラ・フェスティバルの城の前の広場が完成してます。ここでミリタリー・タトゥーと呼ばれる軍隊パレードが行われます。
是非みたいところだけど、ミリタリー・タトゥーは夜なので無理。たとえ、時間があっても、指定席券がないとまともに見える席には座れないでしょう。
エジンバラ城のチケットはインターネットで購入することができます。エジンバラ・フェスティバルで観光客が大変多いこの時期、前もってチケットを入手しておいたほうが賢いです。
フェスティバルの件を全く知らなかったわれわれは、何も考えずに当日券売り場に並び、一時間以上待つ羽目になりました。
エジンバラ城は、巨大な岩山の上に建てられています。城の下の部分はむき出しの岩です。荒々しい自然の要害です。
このいかにも武骨な感じ。実践で利用された砦という感じです。実際スコットランドの歴史は戦いの連続のようです。
そして長い年月のうちに砦は増殖して、巨大な城になっています。大規模なこの城には儀式用とはいえ、本物のスコットランド軍が駐留しているそうです。
人が多い場所を避けて、手近なところに入ると、そこはMillitary Prison。つまり、軍の牢屋ですね。イングランドとの戦争での捕虜を収容した場所のようです。
中には大量のハンモックが。戦争捕虜は他の犯罪者よりは優遇され客人に近い扱いであったと表示にありますが、本当に?
立ち入り禁止の地下に続く階段があって、その奥にもハンモックが並んでいます。そっちはかなり怖い。
どっちにしろ寒さ厳しいエディンバラで、底冷えする地下牢の生活はたいへんだったでしょう。
坂道をさらに登っていくと聖堂らしき場所にでます。聖堂には入らなかったけれど見事なステンドグラスがあるようです。
かなり高い場所なのでエディンバラの街がよく見えます。エディンバラが面するフォース湾もきれいに見えます。
エディンバラはエディンバラ城と旧市街、新市街ともに含めての世界遺産です。
クラシックな街並みが延々と拡がる様子は壮観です。
宝石の展示のある建物は長い行列ができていたのでパスして、大広間に行きました。儀式や外国からの賓客の謁見に使われた王国の顔みたいな場所ですが、ずらりと並んだ武器甲冑の類は、異様な迫力があります。
緯度にしてはスコットランドは温暖とは言われますが、それでもこのでっかい暖炉は相当に寒そうと、南から来た人間は震え上がります。
飾りが全て銃や剣というのがね。
日本の城だって、槍や鎧兜が飾ってはありますが、花鳥風月も風雅な庭もあります。
でも、ここは武器オンリー。
いささか冷や汗を覚えつつ、外に出ると、今度はでっかい大砲。モンス・メグという名だそうです。
これがまた半端ではない巨大さ。150キロの砲弾を打ち上げる能力があるとか。
すでに弾をこめられる状態にはしてありませんが、それにしても、岩山の城塞に巨大な大砲は似合いすぎて剣呑です。
そこで平和の象徴たれぱんだとともに記念撮影。
この城が二度ととくに戦わないで済みますように。
さらにイギリス軍の主力野戦砲 L118 105mm砲弾も置いてあります。
これは日曜日を除く毎日13時に銃砲が放たれるそうで、ワンオクロックガンと呼ばれています。
時間を知らせるだけなら鐘にしとけばいいのにとも思いますが、この銃砲の音はフォース湾を航行する船に正確な時刻を知らせる役目を持ってるのだそうです。
猛々しくも血なまぐささをを残す城の観光に、いささか唖然として帰路につきましたが、駅にとまっているラッピング列車は「バトル・オブ・ブリテン」、第二次世界大戦時の対ドイツとの航空戦です。
参りました。アニメキャラに萌えてる日本人には適いそうもありません。
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