忍者ブログ

酒とバラの日々 福岡を中心とした食べ歩き情報と、ワインやおつまみのレシピブログです。 国内、海外の旅行記もやってます。 Twitter:http://twitter.com/ariahisaeda

RSS TWITTER RssTwitter

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

九州新幹線・久留米駅開業記念 髙島野十郎 里帰り展

日を改めての水曜日。今度こその石橋美術館、高島野十郎展にリベンジです。

高島野十郎展

この展覧会は、九州新幹線の開通の記念として、開催されたようです。故郷、久留米への里帰り展。

拍手[5回]

石橋美術館

高島野十郎展では、初期作品から、自画像。欧州への外遊の際のスケッチの数々。写実的な風景画、精緻極まりない静物画など、130点に及ぶ作品が展示されていました。初期から欧州でのスケッチには、ゴッホやマネの大きな影響を感じますが、どこか透明で、穏やかな色使いは、日本画の趣を残していています。

そして、光への強い執着。

風景画の中の飾りであった月が、段々に月そのものとして描かれるようになっていきます。画家は月ではなく闇を描きたかったのだ、と説明にありますが、なるほど、闇に穿たれた覗き孔のようにも見えてきます。

石橋美術館室内

美術館の館内には、鑑賞に疲れたひとが、休息をとれる部屋が用意されています。絵の迫力に負けて、 ちょっと、一休み。

石橋美術館室内から見る公園

炎暑の中ですが、適度に冷房が効いた室内から庭を見ることができます。静かで、いい雰囲気。

石橋美術館別館

じっくりと本館を観覧した後ですが、まだまだ野十郎展は終わりません。別館には、野十郎が、名刺がわりにと贈り続けた「蝋燭」の絵が、19枚も展示されています。

暗い展示室内を埋め尽くす「蝋燭」は圧巻です。近づいてみると意外なほどに大胆な筆使いでありながら、ある距離に離れると、その焔の熱さを感じられるように写実的に見えてきます。そして、静止画のはずなのに、焔が揺らめきはじめるのです。これこそ、絵画の持つ蠱惑。

一番に思い浮かんだのは、落語の「死神」です。死神に連れていかれた祠の中にひとの寿命をあらわす蝋燭がいっぱいあるというアノ話しです。もっとも、この噺の元ネタはギリシャ説話だそうですから、人の生命を蝋燭に見たてるのは、洋の東西古今を問わないのかもしれません。

野十郎は絵の主題について何も語らなかったそうですが、晩年に近づくに従って、その焔は一層に輝きを増したそうです。余命とさらに身を焼く絵画への執着と情熱、そんなものが読み取れる気がします。

ラベンダー?

別館を出ると、ワイルドフラワーの花壇に美しくラベンダーが揺れていました。
PR
Comment
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメントの修正にはpasswordが必要です。任意の英数字を入力して下さい。
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
Clear