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酒とバラの日々 福岡を中心とした食べ歩き情報と、ワインやおつまみのレシピブログです。 国内、海外の旅行記もやってます。 Twitter:http://twitter.com/ariahisaeda

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那智駅と三所大神(さんしょおおみわ)神社と補陀洛山寺(那智)

新宮二日目です。
この日は熊野那智大社に向かうべくJRで那智駅まで。本数があまり多くないですが、20分程度です。那智大社まではさらにバスに乗らなければならないので、直接バスのほうが便利なのですが、那智大社の前に那智駅の近くの補陀落山寺というお寺に寄りたかったのです。



那智駅は無人駅ですが、社殿を模した面白いつくりになっています。それほど古くはなさそうなので、世界遺産になった時にでも改修したのかな?

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列車に乗ると、目の前はすぐに海。本当に山と海が近接しています。
見渡す限り遮るもののない水平線。



那智駅到着。



古い那智駅の駅舎にあったという駅名の看板です。時代を感じさせる字体です。
客待ちのタクシーの運転手さんから、元の駅舎で残っているのはこれだけだから是非写真に撮りなさい、と教えられました。(とにかく誰もが気楽に声かけてくるのが南紀の特徴かも)



平安時代の熊野古道の女性の装束でしょうか?大きな世界遺産のポスターがありました。

もちろんポスター撮影用の美々しい衣装ですが、このような典雅な格好で険しい古道を何日も歩いた、と考えると昔の人はエラかった。私は絶対ムリ。

なお古道の各所ではこのような衣装を貸し出して、記念撮影させてくれるそうです。



補陀落山寺に行く途中で出会った三所大神神社。こちらも熊野三神を祀る古い由緒をもつ神社で、明治の神仏分離令までは補陀落山寺と一緒だったようです。



こちらの神社も御神木が立派。紀の国、木の国の名に相応しく、温暖で降水量が多いので、樹木がすくすくと育つのでしょう。
こういう土地は大切にせんといかんね。



さて、お隣の補陀落山寺。補陀落とはサンスクリット語の「ボダラ」もしくは「ボダラカ」の音訳です。観音菩薩の住処という意味だそうで。
インドの南の洋上にあると言われるのですが、その信仰が洋上の「南方浄土」となったとのことです。

補陀落渡海とは、即身成仏のように高僧が生きながら戻らぬ船に乗り、南方浄土を目指すという捨身行。なんというか宗教的な情熱故とはいえ、現代人から見ると怖ろしい限りの話し。
さすがに時代が移ると、生きたままではなくて亡くなった方を船で流すという水葬のようなかたちになったそうですが。

南紀だけではなく、四国の足摺岬でもそういった風習があり、また沖縄にも「ニライカナイ」という海洋上の死後の世界があるとの伝承があります。

いずれにせよ、海洋の彼方、天上ではなく水平方向に死後の世界があるという考え方です。



日本人の血脈には環太平洋をカヌーで渡った南方の島々の人々のものも流れているという説があります。あくまでも私見ですが、海を渡り祖先のもとに還るという信仰がもともとあって、そこに仏教が「補陀落」という名を後から付けたのではないかと思います。

とはいえ、南紀や高知のような見晴るかす島影のない太平洋に面した土地だからこそ、水平線の向こうの異界が、見えていたのかもしれません。



補陀落渡海に使用された船の模型が展示されていました。現代人にとっては仏僧が乗る船なのに、鳥居があるのが奇妙に感じられますが、当時は神仏混淆の時代。仏は熊野の神の現し身、ということでその両者に差はなかったのでしょう。



表示パネルには、平安時代から江戸時代まで20数回にわたり、船による捨身業を行ったとあります。
おそらく昔はこの寺の前が海だったのでしょう。
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