スペーシアで浅草まで戻ってきたところで、上野までは東京メトロで。
上野で待ち合わせをした8番出口が見つからず、携帯電話で助けを求めてしまったのは、まあ、いつものことなので(^^;;;
友人たちも慣れてます。(^^;;;;;
上野の森は、日光ほどではないにしろ木々が色づいていい感じです。金曜日なので各美術館は夜遅くまで開いているため、上野公園自体が結構な人出。
中でもフェルメールはやはり目玉ですよね。
友人4人でそぞろ歩きつつ。会場の東京都美術館に向かいます。
「フェルメール展〜光の天才画家とデルフトの巨匠たち」です。
ヨハネス・フェルメール。17世紀オランダの画家。寡作のために30あまりの絵しか残っていません。
贋作、盗難など、数々の事件に巻き込まれたミステリアスな歴史も持っています。
その数少ない作品はアメリカやヨーロッパに散らばっているので、今回七枚の絵を一同に見られるというのは大チャンスです。
また、日本の企画展で見るほうがフェルメールにフォーカスがあたり気を遣った展示がされているという利点もあります。
巨大美術館で見ると印象がどうしても減じてしまうので。
フェルメールの絵は本当に何気ない絵です。静謐な何気ない情景を写し取ったものが多く。初期をのぞいて、神話や聖書に題材を求めた画が少ないです。
ななめ左側からそっと差し込む光に照らされた室内の構図を好み、その柔らかな光を従前に駆使しています。写実的で美しい質感を追い求めた絵ですが、それはまたフェルメールにしか見えない幻視の世界のようにも見えます。
声高になにかを主張しているような絵ではないのに。なぜかその後ろ側にある物語を想像させます。
今回の展覧会でもっとも好きな作品は「リュートを調弦する女」。小さな作品ですが、暗い室内に浮き上がるような黄色いドレスを着た女性が夢幻のよう。光の使い方の巧さという点では白眉のように思えます。
「紳士とワインを飲む女」は映画「真珠の耳飾りをした女」を見ているとちょっとにやりとしますね。この時代パトロンというのはなかなか一筋縄ではいかぬようで。(もっとも、そのパトロンを逆に利用しようとする女性のしたたかさも描かれてますが。)
デルフト眺望とならぶ風景画「小路」も、ホント普通の風景画なんですが、なぜか心に残る一作。ひとびとの息づかいが静かに伝わって、この街に行ってみたい。この絵画の中に入り込みたいという気持ちにさせます。
その他、デルフトの絵画も多数展示されていましたが、どれも残念ながらフェルメールの引き立て役にしかならぬのは、フェルメールの絵のもつ魔術のような天才性の顕れということでしょう。
ということで、やはり見に来てよかったと思いをかみしめつつ、上野の夜を後にしました。
大道芸をしている人を撮影しましたが、残念ながら暗すぎてピンがあってませんね。
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