もともとお茶室として使われていたという朝食専用のお部屋で、朝食をいただきます。なんとも風情のあるお部屋で、きりっとした緊張感があります。
雪見障子からは高瀬川の流れが見えて風雅です。
このセンスがなによりも京都(みやこ)の洗練を感じさせます。
花屋旅館の対面は
賀茂とうふ近喜なので、そこのお豆腐らしいです。
柔らかくなめらかで、すっきりとした京都ならではのお豆腐。私は普段木綿豆腐が好きですが、京都にきたらすっかり絹ごし派に鞍替え。
京都の地下には巨大な地下水の層があるので上質の水が手に入るのだとか。
その水で作られ、晒された京都のお豆腐は、この貴重な「水」の賜。「京都人だけが食べている」というエッセイの中でも、京都のお豆腐の味は、「水」の味であると看破されています。
おみおつけは赤だしです。これも深みのある出汁と、甘みのある赤味噌のハーモニーという感じ。京都らしく生麩が浮いています。
こちらのご飯も本当に美味しいです。炊き方やお米の質も勿論のこと、やっぱり「水」の賜かもしれませんね。
だし巻きも本当に上品なお味です。塩味も甘みも程よく、柔らかくて。
そして、
賀茂とうふ近喜の飛竜頭。柔らかな味の出汁がかかっています。
中味には銀杏やキクラゲが入っていて、かなり大きいので食べ応えがあります。
こうやって紹介してきましたが、特別なものはなにもないように見えるかもしれません。しかし、料理の一つ一つのクオリティがとても高い。吟味された材料も、その材料を活かす技術も。
そしてなにより一日の始まりをすっきりとさせてくれる味付けと適切な量。過剰を避けるところに、洗練が見えます。さすがとしかいいようがありません。
花屋旅館はその中でも古くからある片泊まりの宿の老舗。
私はネットで見つけましたが、雑誌などにも紹介されているそうで、季節のいい時期はなかなか予約がとれないみたいです。今回私は運がよかったのかな。
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