会議の休み時間をぬってようやく旧市街スルタンアフメト地区を観光することになりました。
オスマンベイから旧市街へは地下鉄二回乗り換えた後、路面電車に乗ります。少しややこしいけれど、わかってしまえば、何のことありません。一人でも動ける。
イスタンブールの地下鉄は出来たばかりなのか、とても清潔できれい。なんとなく日本の地下鉄を思わせるシステム。後から調べると、大成建設が海底トンネルの建設に協力しているので、その影響かもしれませんね。
路面電車に乗り換えのために降りたエミノニュで目の前にした金角湾。大河のように見えますが、マルマラ海からヨーロッパ大陸に切り込んだ角の形の湾です。
青く光る海面を見ながら改めてここまで来たんだ、と感慨に耽りました。小説などで馴染んだ地名の場所が今目の前にあります。
そして金角湾を挟んで望むガラタ地区。コンスタンティノープル陥落まではジェノバ人たちが居留していた場所です。
遠目からもガラタの塔が目立ちます。
金角湾に船舶が立ち入らぬように張り巡らされた大鎖はこのガラタの塔に結び付けられていたのだとか。
昔ながらのオスマントルコ帝国の面影を今に残すと言われるガラタ地区も観光してみたかったのですが、まあ、次の機会に。
最初はまずトプカプ宮殿を目指しましたが、おやすみでした。門のところには自動小銃を構えた守衛さんが立っていて怖いったらありゃしない。
さすが軍事国家というか。日本だと守衛さんは武装してないしなw
すぐに引き金がひける自動小銃というのは、非常に威嚇効果が高いですね。
声をかけるのも憚られたので、そそくさとスルーして、ブルーモスクへと向かうことにしました。
ブルーモスク。正式名称はスルタンアフメトモスクです。壮麗なるイスラム建築の代表作の一つ
巨大なアヤソフィアとほぼ同じようなサイズで、向かい合うように建っていて、まるで双子のよう。
オスマントルコ帝国のスルタンアフメト1世によって建造されました。
お祈りのできる正式なモスクですが、観光客も立ち入ることが出来ます。ただし、入り口では服装検査あり。女性は露出を抑え髪はスカーフで隠す必要があります。ノースリーブや短いスカートとかもダメ。持っていない場合はスカーフを貸してくれます。
また日本のお寺さんのように、靴は脱いで袋の中に入れて持ち歩きます。
また地元の人と観光客では入る入り口も違っています。本当にここは祈りの場所なのです。
内部には赤い絨毯が敷き詰められていて、床に座ることが出来ます。
壮麗、豪奢、綺羅綺羅しいモスクですが、観光客でごった返しているにも関わらず、清浄な空気が流れていて、何故か心寛ぎます。
ふと西行法師の「何事のおはしますをば しらねども かたじけなさに 涙こぼるる」という歌を思い出しました。(もちろん、これは伊勢神宮を歌ったものですが。)
宗教の枠を越えて、聖性は心をうつものです。
それにしても、ため息が出るように美しい天井。
偶像崇拝は禁じられているから意匠は草花に限られるようですが、その緻密さ、バラエティの多さ。
柱という柱、壁という壁、すべて埋め尽くす様々な植物を模したブルーのタイル。この場所がブルーモスクと呼ばれる由縁です。
意匠としては文字もよく使われています。何が書いてあるかわかりませんが、美しいカリグラフィです。
[5回]
PR