ブルーモスクの後は、最大の目的、アヤソフィアへ。アヤソフィアというトルコ語での名称が一般的ですが、英語ではギリシャ語のハギアソフィア。日本語では聖ソフィア大聖堂といいます。
イスタンブールがコンスタンティノープルと呼ばれていた当時、つまりビザンチン帝国の首都であった時代に建造されたキリスト教の大聖堂です。
コンスタンティノープルの陥落後、一時期はモスクとしてつかわれたので、イスラム教会風にミナレット(尖塔)が建てられています。
ブルーモスクと同様、巨大な建造物です。建造が6世紀とか。すごいですね。日本では仏教が伝来するかしないかってところだ。
内部は金色の箔により黄金に輝き、モザイク技術の粋を集めた装飾が飾られています。
入り口で迎えて下さるのが、「キリストと皇帝」のモザイク画。
これらはすべて色の違う石を組み合わせることで絵に仕立てています。
キリストを取り囲むように大天使と聖母マリア。そしてキリストのもとにひざまずく皇帝らしき人が描かれています。この皇帝は誰であるかは特定されていないそうです。ひょっとしたら、ビザンチン帝国自体がキリスト教に帰依する、ということをあらわしているのではないのかしら。
ビザンチン帝国(東ローマ帝国)はギリシャ正教を国教とし、キリスト教の力で国を束ねていました。
残念なことに、アヤソフィアは現在修復作業中。豪奢にして壮麗なる空間を楽しむには、組まれた足場が艶消しです。ついてないなぁ。
再度訪れることはなかなか難しいので痛恨でありました。
それでも、天使が飾られたドーム天井は、外部の光を上手く採り入れて、金色に輝いてます。
あくまで博物館であり、宗教的な場所でないということ。それをもってアヤソフィアは存在を許され、こうやって我々観光客に公開されています。
コンスタンティノープルを征服したメフメト2世も、この美しい聖堂を惜しみ、破壊させなかったとか。
途中モスクとして使用された時も、モザイク画は漆喰で塗りつぶすだけですみ、そのおかげで現在我々が目にすることができるのです。
半ドームには麗しい聖母子像が、拝謁する人々を見下ろしています。
中2階の廻廊から最大望遠で撮影した聖母子像。ああ、もっと近づきたい。
(もっといいカメラがあれば…。)
四方には大天使のモザイク画。気の遠くなるほどの年月を経ているために、いささか痛みが激しいです。
こちらも羽根があるから天使でしょうね。
モザイク画は他にもいろいろとあるのですが、修復の梯子の向こうに隠されているようで。
ああ、返す返すも残念でした。とはいえ、この目に直接アヤソフィアを見ることができて、非常に嬉しかったです。
ビザンチンのこの素晴らしいモザイクの技術は、帝国が滅びるとともにそのほとんどが消滅しました。
わずかにイタリアの一部や、正教会の伝統を受け継いだロシアで、継承されたようです。
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