高知旅行記にまた戻ります。
さて、高知二日目。
まず目指すは土佐神社。土佐の国の一宮。つまり、土佐で一番主要な神社ってことですね。
ここは主神は四国へと流されたとされる葛城の神一言主もしくはは味鋤高彦根神です。
いずれにしろ、賀茂一族の主神、賀茂大神だそうです。
観光ルート的にははずれているので路線バスで一宮まで。土地勘がないので、運転手さんに降りる場所を教えてもらいました。親切な運転手さんでよかったです。
[3回]
土佐国一ノ宮の碑。
重々しいなぁ。
午前中だし、祭の日でもないので、参道は誰もいません。
広く続く参道を歩くと「入蜻蛉」と称される独特の様式をもった本殿が見えてきます。
時間に洗われた落ち着いたお社です。
境内では氏子さんたちが掃除をしていました。
ふらふらと迷い込んだ観光客の私にも元気な挨拶をくださいました。
ここでは一言主ではなく味鋤高彦根神が祭神である旨が書いてありますね。
もっとも神社の由緒には、一言主神のお名前がありました。
一言主は数々の伝説に彩られた不思議な神様です。「古事記」にも「日本書紀」にもその名がある地位の高い神様なのですが…。
『日本霊異記』では、役行者(これも賀茂氏の一族である)に使役される神とされてしまっています。
奈良には、葛城一言主神社というそのものずばりの神社もあり、古く信仰を集めていたようです。
『日本霊異記』の記述は、葛城、賀茂といった古い豪族の力が弱まって、その神様が大事にされなくなってしまったという過程をあらわしているかのようです。
とはいえ、ここ土佐の一宮は、雄略天皇が創建し、その後、土佐の支配者たちがみな厚く保護し、崇拝してきた立派なお社です。
本殿にお参りした後は、順路通りに「しなねの森」を散策します。
大国主命をお祀りする摂社を参拝し、杉林、つぶて石、みそぎの斎庭、そして厳島神社。
表示では十分と書いてありますが、なんのなんの見所たっぷりで、ゆっくり時間をとったほうがいいです。
きれいに手入れされた鎮守の森。心がシンとなる時間です。
自然の森を活かしつつ、人の手が入ることで、きれいに整備された森。本当に有り難いことです。
ご神木の大木をお祀りしたくぐり輪。この輪を抜けることで心身が祓い清められて、大木の長寿やたくましさにあやかれるというもの。
左、右、左と三度通りぬけするのだそうです。
次はつぶて石。
なんでもこの土佐神社のある場所を神様が指し示すために投げられた石と古伝にあるそうです。
実際、この地は蛇紋岩の地層なのに、このつぶて石は珪石だとか。うーん、ちょっと不思議。
まあ、火山の爆発で飛んできたってところが現実的な解釈なのかな。
それにしても大きな石です。不思議といえば不思議。
水音に誘われて歩を進めると、池に囲まれたお社が。
こちらは厳島神社とありました。安芸の厳島神社と同様、宗像三女神をお祀りする社なのでしょう。
緑と水とに囲まれた素晴らしい神社でした。ドラマ「龍馬伝」のロケ地としても使われたそうなので、龍馬ツアーの方も訪れるといいかもしれません。
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