さて、また長崎旅行記を続けていきます。まだ旅程の半分もこなしていないです(^^。
のんびりとおつきあいください。
長崎観光といえば、大浦天主堂とグラバー亭と相場が決まっています。しかし、雲仙行きのバスの時間のある我々一行は、
「出島」へと行きました。ま、ほとんど長崎には来たことはあるし。
「出島」といえば鎖国時代のたったひとつの世界への窓。ここから乏しいながらも西洋文明が流入することによって、明治期の爆発的発展への布石になった場所。
ところが、昔はほとんど跡形だけで、残念ながら史跡として、かなりがっかりな内容のものでした。
ところが、行きがけのタクシーの運転手さんの話しでは、歴史的史跡として観光資源化され、再構築がおこなわれているんだとか。
これはちょっと行ってみなければ。
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ホテルから出島までは、歩いて行けるくらいの距離。みんなで雑談しながら徒歩で出島の方向へ。(これが私ひとりならば、地図とくびっぴきでしかも間違った方向に行きそうですが、大丈夫、方向感覚に優れたナビゲーターが二人。しかもその一人は、長崎出身。大船に乗った感じで、カメラ片手にきょろきょろのフォトスポットを探してました。)
途中目をひいたのが、この長崎水辺の森公園。長崎の港に付きだしような形でつくられた市民の憩いの空間とか。残念ながら中まで入る時間はありませんでしたが、よく整備された美しい雰囲気。
後でネットで調べると水路の向こう側には野外劇場を備えているようです。
それにしても雨だけは止みましたが、かなり気温が下がってきました。風も冷たい。
典型的な寒冷前線の通過って感じ。
春だからと、少し薄着で行ったのが後悔されます。
そうこうしていると出島へ。出島というと教科書にある扇型の島を思い浮かべますが、現在は埋め立てられて「島」ではありません。
私の記憶医では観光客が異国情緒を探して来るとがっかりする場所だったのですが、なんとも立派な門が建てられます。
資料をもとに再建したらしい水門をくぐるとそこは江戸時代をそのままのテーマパーク。
ただし、水門の側には、何故か長崎の公式マスコットであるさるくくんの大きな人形が置いてあります。どういうコンセプトなのかよくわかりませんが。
私も「たれぱんだ」を取り出してさるくくんと共演させたいところですが。時々、氷雨がぽつぽつ来ます。
出島の中も当時の商館などを忠実に再現した、なかなか見所があります。特に、再現したカピタン部屋は、日本家屋に緑色の階段バルコニー、同じく緑色の桟のある硝子窓が、不思議な調和を見せる面白いつくり。
西洋と東洋が入り交じった不可思議な異国情緒が感じられます。
館の内部は当時の家具などを再現してあります。
びーどろの街、長崎ですので、アンティークなガラス器のとてもいいものがありますね。と、すぐにガラスに目がいってしまいます。
畳敷きの部屋で、無理矢理西洋の生活をそのまま続けようとしたオランダ人たちの創意工夫が感じられる室内です。畳みなのに西洋式のテーブルや椅子、あまつさえベッドを持ち込み、壁紙は西洋風。面白いなぁ。
他にも、涼をとるための部屋があったりして、気候の違う東洋の島国に来て、彼らがいろいろと苦労をしていたことが偲ばれます。
出土品も多岐にわたり、当時交易をしていた織物や陶器m医薬品など数々のものが展示されていました。今ならワシントン条約に違反確実の、立派な象牙などもあり。
たったひとつの交易の窓がいかに重要だったかがわかります。
この時代、活躍したオランダ東インド会社のマークであるVOCの文字が入った物も多くみかけます。VOCってなんの略だろうと話しをしていたのですが、ネットで調べると、オランダ語のVereenigde Oostindische Compagnieの略だそうです。わかんないはずだわ。
交易だけでなく、出島はたったひとつの海外情報の窓。
古い地球儀やレンズや医薬箱、エレキテルなど。蘭学への興味を伺わせる品の数々も。江戸時代の人々にとってこれらは魔術のように見えたことでしょう。
杉田玄白の「蘭学事始」や「解体新書」のレプリカ(?)も置いてありました。
蘭学といえば、この人ですものね。
それにしても、江戸幕府が交易相手として選んだのがオランダであったというのも大変興味深いです。
禁教令の関係から、カソリックではなくプロテスタントの国を選んだのでしょうし。オランダの持つ実利的な性格が、この不自由な出島だけの交易相手としてよかったのかもしれません。
外には当時の出島の模型ミニ出島が飾ってあります。
歴史の教科書でもおなじみの扇型の人口島の絵が表示に使われていました。・
オランダのマドローダムの如き、ミニ出島もよくできています。これは再開発の前からあったものだそう。
現在の出島は前述したように埋め立てられて島ではありませんが、長崎市はこれを元の元の形にもどすべく整備を行っているそうです。周囲に堀を巡らし、扇形の輪郭を復元する予定だそうで。なんとも大工事になりそうですが、長崎市の本気が感じられます。
再開発が終了したら、もう一度訪れてみたいものです。
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