福岡市の西区に残る旧唐津街道。その周辺は古くからの街なので、いろいろと神社が残っています。
実はこの道は配偶者の通勤路。通勤の途中、今宿にきれいな藤棚のある神社を見つけたというので、連れて行ってもらいました。
今宿二宮神社です。ひっそりとした住宅地にあるので、入り口は鳥居があるだけで、見落としがちなのですが、実は結構奥行きがあって、とても立派なお社でした。
今宿は唐津と博多を結ぶ唐津街道の重要な宿場だったそうですから、江戸時代には現在よりもっと栄えていたはずで。ここら辺もっと探検すると面白いものがたくさんありそうです。
[4回]
鳥居は三重構造となっています。「神威輝萬祖 豊澤及兆民」と隆々たる字で書いてありますね。
神威は輝くばかりに与えられ、豊かなめぐみはみなひとに及ぼされる、ってところでしょうか。
本殿の前には、配偶者の言葉通り美しい藤棚が。今を満開といった感じです。
その向こうには長垂海岸があって、遙かに博多湾を望むことができます。
由緒によれば、こちらの主祭神は埴安命(はにやすのみこと)。田の神様、生産の神様ですね。
海に面しているので、綿津見神かと予測しましたが、違いました。
この神社は、今から270年前、今宿五郎江(現・今宿小学校)にあったものを現在地に移したものといわれているのだそうです。
うーむ、300年の歴史があるのか。
他に天穂日命(あめほのひのみこと) 大田命 (おおたのみこと)事代主命(ことしろぬしのみこと)も祀られています。
狛犬さんは、その長い歴史を見守ってきたのか、風雪に晒されたきた貫禄があります。
本殿は新しく建て替えられたのでしょう。近代的なコンクリート製。
本殿の裏にはとても立派な常夜灯があります。航海安全のために灯台の代わりをしてきたのか。
長垂海岸の。景色はとても素晴らしく、博多湾を一望できます。福岡タワーやドームなんかも見えますね。
さらに海の中道や志賀島まで見えます。この日は滅多にないほど晴れていて、視界がクリア。
お参りをした後は、藤棚の中に入ってみました。木漏れ日の中、紫の房がきらきらと光って、まことに美しいです。
藤棚のむこうには
庚申塚がありました。ここらへんも昔からがさかんだったのでしょう。
もともとは道教の「三尸説(さんしせつ)」から来ていると言われますが、猿田彦神への信仰や仏教が混ざって、独特なものになっているようで。福岡でもいたるところに庚申塚を見ることができます。
二宮神社の横には亨保年間の飢饉の犠牲者を祀った飢人地蔵がありました。
南で温暖な土地とはいえ、やはり飢饉の爪痕は残っているようです。
中のお地蔵様を見ることはできませんでしたが、手をあわせました。
この地蔵堂にも素晴らしい藤棚がありました。こちらも満開。
近寄ってマクロで撮影してみました。藤娘の簪のような、ってのも変ですが、見事な花房です。
さらに新しいデジカメの性能を試すべく、スーパーマクロ撮影(1センチの距離まで近寄り)してみました。
なかなか面白い絵を撮ることができました。
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