柔らかな色彩の表紙絵や挿画で有名な安野光雅の個人美術館、
町立安野光雅美術館です。
ちょうど井上ひさしと組んだ芝居のポスター展などもあって、非常に楽しかったです。
特にポスター展は絵と字を入れたポスターとしての完成品との両方が展示されていて、ブラッシュアップの過程がわかり、非常に参考になりました。
絵に抜けを作ることで、字を入れて初めて印象が残るようにとの計算がきっちりされているし、その字の入れ方がまた工夫されていて上手いです。
絵ばかりでなく飄々とした感じの安野光雅の文章をじっくり読みながら、ゆっくりと回れました。
なにしろ私たち以外、ほとんどお客さんがいなかったのです(^^;;;
美術館丸ごと貸し切り(^^。ああ、贅沢!
広々としたロビーには、ピアノが置いてあります。きっと定期的にコンサートなどが開かれているのでしょう。優しい色遣いの安野光雅の異国のスケッチに囲まれながらの、ピアノコンサートは素敵でしょう。
壁面には、騙し絵が得意な安野光雅らしく、絶対魔法陣(どこをとっても3×3の魔法陣になっている。)が描かれています。どこをとって足し算しても本当に34になります。空白を埋めていると楽しい。
荷物が増えるので、ショップでは何も買い物ができなかったのですが、帰るなり安野光雅の本を購入してしまいました。繪本シリーズ。特に繪本 平家物語は、おすすめです。
安野光雅というと、海外スケッチという印象があったのですが、こういう仕事も始められているようですね。(廉価版じゃなくて正価版が欲しかったけれど、さすがのお値段に断念しました。)
浮世絵好きの私のために、
葛飾北斎美術館にも足を延ばしました。「北斎漫画」の初刷がこの津和野で発見されたため、北斎研究家がたてた美術館なのだそうです。
かなり小さな建物で、コンパクトに北斎のコレクションが展示されています。
ここで興味深かったのは、「赤冨士」ができるまでの刷りの行程をひとつずつ再現したもの。
いろんなところに入れられたグラデーションの美しさが、赤冨士の立体感をかたちづくっていることがよくわかります。
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