長いことブログをお休みしておりましたが、再起動です。ぼつぼつと更新していきたいと思います。またよろしくお願いいたします。
先日、岡山の備前長船刀剣博物館にて、夏休みに「エヴァンゲリオンと日本刀展」があるとの情報をネットにて仕入れ、まだ残暑厳しき中、新幹線で行ってきました。
岡山といえば桃太郎。桃の産地だよね。という印象だけ。九州からだと近畿への通過駅で、少し縁が遠い街なのです。
いい機会だから、季節も季節だし、桃が美味しいかもと期待に胸膨らませ、ロンギヌスの槍を拝みにいざ行かん、備前の国モモタロランドへ。←桃鉄じゃないんだから
旅行期間2012年9月13日〜9月16日
その岡山から各駅停車で20分ほど。名高き備前長船は刀剣の里。普段は静かな里山で「エヴァンゲリオンと日本刀展が開催されています。
[6回]
「晴れ」の国岡山は、雨天の天気予報にも関わらず、美しい晴天。気温もジリジリ上がって真夏並。つらいわー。ワンマン列車で、普段なら乗っている人も少なそうですが、意外と若い人がちらほら。バックパックなんか背負っていて、アキバを流してそうな人々。間違いなく突然現れたエヴァンゲリオン経済効果ですね。
備前長船刀剣博物館は、長船刀剣の里の一角にあります。
もう少し元気だったら、歩くんだけど、長丁場を考えてタクシーで。体力温存しておかないとね。
で、美術館の前に行くと、お出迎え三人娘です。とにかくアスカの扱いが大きい。つか、主人公アスカですか?
刀剣を逆手に持って、和服姿のお姐さんぶり。かっこいいー。
そして後ろにはロンギヌスの槍。
早速、メイン展示のロンギヌスの槍を見にいきました。アニメの中にでてきた架空の武器を、伝統的な刀匠が打つ。
これはかつてないイベントですよー。
だって、日本刀の刀匠って、一種の神事ですからね。
よくぞこの企画もっていったと思うし、よくぞ保守的なはずの日本刀の里がうけたと思います。
ロンギヌスの槍とは、ゴルゴタの丘でイエスのわき腹を刺したといわれる槍。持ち主の名前をとったそうです。キリスト受難の象徴とされるので、オカルト的な云々もあり。
まあ、ここで言うロンギヌスの槍は、そういったキリスト教の聖遺物の名だけをとって、アニメエヴァンゲリオンででてきた「使徒」を殲滅することのできる最終兵器として登場するアレです。
日本刀の名刀匠と金属造形作家とのコラボレーションで制作されたこの槍。全長3.32m。まずは大きさで圧倒してくれます。
そしてダマスカス鋼でつくられた表面には、美しい地肌の模様が浮かんで。まるで、「生命の樹」のよう。DNAをあらわす螺旋はどこまでもとぐろを巻いて迫力そのもの。
金属の剛性を保ちながら、どこか有機的でぐにょぐにょとしたフォルムは、エヴァンゲリオンという作品のコンセプトを十全に表しています。
うむ、かっこいい。これを見たさに岡山まで足を伸ばした甲斐があったなぁ。
バックには制作過程で用いた設計図が飾ってありました。細かい指示がたくさん書き込んであって、この怪物のような槍の制作のご苦労が偲ばれます。
ロンギヌスの槍をしっかり見た後は、二階に上がって、日本刀作品を。
こちらは零号機仕様脇指(龍と槍)です。ポスターで綾波レイが持ってる分ですね。
美しく鍛え上げられた刃にロンギヌスの槍に龍がからんでいる模様が彫刻されていて、綾波というか零号機が月に向かってロンギヌスの槍を投げるシーンが思い浮かびます。
拵えも存分に凝ったつくり。会場ではわかりませんでしたが、柄頭は零号機の顔を模してあり、緑メノウがはめこまれているのだそうです。
綾波らしい美しさと妖しさとを存分に感じさせる刀です。
お次は弐号機仕様短刀(式波・プラグスーツ)です。日本刀と西洋の剣のハイブリッドなのは、アスカがドイツ系だからか。
「欄間通し」という技法で彫られたプラグスーツ着用のアスカの勇姿。いや、もう、技術の粋って感じ。裏も表もアスカの全体が見えるようにと、刀は回転展示してありました。
アスカといえば、弐号機の色、赤。当然短刀の拵えも赤色です。ネルフマークもちゃんと入ってます。
紹介するとキリがない数々の名刀たち。アニメーションの設定をいかしつつも、日本刀本来の美を失わない、希有なコラボレーションでした。
それにしても会場には女性三人組の絵ばかり。(撮影不可のエヴァンゲリオン設定集はありましたが…)
みやげもの屋の前でやっと碇シンジくんに会えました。主人公影うすいよね。
日本刀の制作現場と過程を鍛冶場を拝見したりと、エヴァンゲリオン抜きでもいろいろと楽しめました。
やはり日本刀は本当に美しい。きらめくその刃先、優美な刃紋。装飾ではなくそのブレードのみを芸術品にまで高めた武器は他に知りません。
日本刀重さを示す模擬刀を握ってみて、その重量感にびっくり。これを江戸時代は平気で腰に二本も刺してたのよね。
どんだけ、足腰が強いのやら。
余韻にひたりつつ、購入した図録を眺めながら、お昼ご飯。
残念ながら備前長船刀剣博物館の近くには、食事のできそうな場所を見つけられなかったので、岡山市内にもどりホテルの側で簡単にすませました。
PR