一応マップなどは用意していましたが、新花巻の駅で、宮沢賢治記念館への道を尋ねました。地図上では、結構近そうだったのですが、歩いて30分くらいかかりますよ、と言われました。遠野までの乗り換えの時間は2時間くらいなので、それはちょっと無理。
バスなどの公共の交通機関は、2時間に一本くらいなので、そりゃタクシーしかないね。と平然と言われました。タクシーも基本料金にちょいくらいだし、と。一人旅なので、タクシーはちょっと贅沢ですが、仕方がありません。待ち時間の間に帰ってこないといけないので。
仕方なくタクシーで、辿り着きました。入口では、猫の事務所の面々がお出迎えしてくれます。たれといっしょに記念撮影。
残念ながら展示物は撮影不可。テラスに出たところで、外の写真を撮影しました。これくらいならいいかな。
展示物はなかなか興味深かったです。「春と修羅」の生原稿が飾ってありましたが、わりと子供っぽい丸文字で。やはりこの人理科系の人だなと、ヘンな感想をいだきました。
まあ、資料よりもなにより、自然そのものが賢治的世界です。美術館に荷物を預けたまま、宮沢賢治童話の森に分け入りました。
よだかの星をモチーフにしたオブジェなんかも置いてあります。
色づく木の葉が舞い、地面をカーペットのように埋め尽くしています。よく手入れがされた、素晴らしい森です。
坂道を歩いて、少し汗ばむくらいになったので、少し冷たい風が心地よいです。
きれいな花壇があったりと、童話のオブジェがいろいろとあったりと、確かに童話の世界です。
資料館の中は結構人がいたのに、ここまで足を延ばす人は少ないのか、ひとっこひとりいません。私だけです。ラッキー。
季節柄花壇は今花がありません。どこかに有名な”Tearful eye"(賢治が設計図を書いた目の形をした花壇です。)もあるはずなのですが、見つけられませんでした。
これは日時計ですね。
びっくりするほどに突然晴れ上がった空の下。岩手の山の中の空気そのものが、ユートピア「イーハトーブ」を思わせて。
…もちろん、冬の厳しいこの場所が、美しい季節の色に染まるのは一瞬だけですが。
この景色を見られた僥倖に感謝します。
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