リスボンでの滞在はたった一日、首都だけにいろいろと見所はあるのですが、回れて二箇所がせいぜいといったところでしょう。
そこで公平を期して私のリクエストで国立古美術館。もう1箇所は配偶者のリクエストでベレンの塔。
時間の節約のためにタクシーを使って、まずは国立古美術館に行きました。ホントは地下鉄で行けるようですが。
日本の南蛮図屏風があることで(日本では)有名なポルトガル国立古美術館。
[5回]
クリーム色の外観の国立古美術館。外観を見る限り、それほど大きいと思えなかったのですが、実際中を歩くとかなり大変。まあ、欧州で国立ですからあなどっちゃいけません。
大航海時代に貯め込んだ富が美術品のカタチで集積してますからね。
中は嬉しいことにフラッシュを切れば撮影可能です。
入るとすぐに目につくのがこの古地図。
インドの喜望峰を越え、東南アジアを経由して、黄金の国ジバングへ。
波濤を越えて一攫千金の富と宗教の伝搬とを目指して。
大きな黒い南蛮船であらわれたと思しき、ポルトガル人達。
南蛮屏風には当時の日本人のセンスオブワンダーが生き生きと描かれています。
そりゃ珍しかったでしょう。
特異な容貌や風俗、異国の珍しい動物や文物を活写したこの作品。なんか「らくだ」までいますね。
シルクロードから連れてこられたのかしら。
当時のポルトガルの日本への影響はとても大きいのです。
私たちが日本語として使っているものが実はポルトガル由来のものがたくさんあって、
このポルトガル協会のサイトにまとめられています。
それにしても、パンやフラスコがポルトガル語なのは知ってましたが、先斗町や関西弁の「たんと」までそうだとは!
意外といってはなんですが、ホント日本との関係が深かったのですね。まあ、禁教令の発令とともにカソリックのポルトガルとは縁が薄くなり、プロテスタントのオランダにとってかわられてしまったようですが。
屏風絵だけでなく、南蛮人の姿を描いた蒔絵の漆器も。
この重箱なんてモダンで、レプリカがあったら欲しいくらい。
螺鈿細工もまた伝統的な日本柄から離れて、モダンでかっこいい。イエズス会のマークであるIHSが入っていたりします。
もちろん、定番の有田焼も。当時の貴重な輸出品ですもんね。
大航海時代、荒い海をものともせずに冒険にでかけていったポルトガル人。
船への思い入れはさぞかし。
多分船の舳先を飾ったと思われるこの双頭の石像、なかなか面白いです。
王と女王の像でしょうね。愛嬌があってとても面白いです。
カソリックの国だけあって、キリスト教芸術作品も豊富です。中世からルネサンスに至る
中世の色を残す優しい聖母像。私はこういうの好きだなあ。なんとなくお地蔵様みたい。
素朴な信心の顕れという意味で、同じなのかもしれません。
こちらのピエタ(聖母が死せるキリストを抱く)彫刻も素敵でした。
さて、自由に撮影はできるし、展示物の数は多いし、ってことで膨大な枚数の写真があるので次に続きます。
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