レオポルド美術館はクラシックな建物が多い旧市街にあって、ひどく近代的な建物です。(あ、まあ、近代美術館もそうだけど。)
無機的といっていい感じのデザインは、どちらかというと日本やアメリカにありそうな美術館。
真ん中の吹き抜けはガラス天井で、日の光が内部に降り注いで、その白さを強調します。
上の階から吹き抜け部分を。
すっきりしたデザインですが、置かれたソファがいい感じ。
展示室も、装飾を限りなく排して、ストイックなまでにシンプルです。
でも、持っているコレクションがものすごいんだよなー。
確か前行った時は写真は撮れなかったハズと思っていたのですが、何故か今回は撮影可能。うんうん。うれしいよ。
ここのエゴンシーレコレクションは膨大です。紛れもなく天才のインパクト。
でもなー、たくさん見ているとどんどん鬱状態になっていきます。
特に歪ませた自画像なんかに、若くして亡くなったシーレの心の荒廃を見るようで。
クリムトのコレクションはベルヴェデーレにあるので、3〜4枚程度。
ふわふわとした美しい抱擁の絵に、迫りつつある死に神。
クリムトらしい生への賛歌と死の恐怖の対比です。
ぶっちゃけこの人の絵は、すべてこのテーマに貫かれているような。
クリムト、エゴンシーレに限らず、ココシュカやコロマン・モーザーなどユーゲントシュティール(ドイツ語圏におけるアールヌーヴォー様式)の作家の絵やポスター、工芸などもならんでいます。
アール・ヌーヴォーというと、ミュシャなどフランスの画家を思い浮かべますが、運動としては全ヨーロッパで、独立的に起こったとか。オーストリアやドイツではユーゲントシュティールと呼ばれます。
絵やポスターに留まらず、ユーゲントシュティールの工芸品も充実しています。
この素敵なタンスと椅子のセットなんて、ウチにほしいくらい。
19世紀末のものと思えない、いや現代以上に新鮮でモダンな意匠の数々です。
ガラス工芸なんかも、モダンなものが数多く置いてありました。
PR