イスタンブール。東洋と西洋とを結ぶ街。
ビザンチオン。コンスタンティノープル、イスタンブールと、何度も名を変えて、大きな歴史の舞台となってきた古都です。
御多分に洩れず、塩野七生の「コンスタンティノープルの陥落」を読んで以来、行ってみたい場所のひとつでした。
トルコはイスラム圏としては、ヨーロッパとの関係性も強く訪れやすい国です。
イスタンブールの空港に着いて、入管の行列に並んだ時に、その人種や国籍の服装の混淆ぶりには驚きました。
よくニューヨークを「人種の坩堝」と表現しますが、なんのなんの。この多彩さにはとうてい叶いません。
ヨーロッパ系でも肌や髪の色が微妙に違う人たち。真っ白なアラブ風。北アフリカの民族衣装。
モスリムの女性でも、目だけをだしたブルカを着た女性からスカーフのみという簡易なスタイルの人まで。
世界のあらゆる場所から人の訪れる場所、といった感じでした。うーん、世界ってやっぱり広いもんだなぁ。と、改めて。
空港からはタクシーで。実はトルコのタクシーについてはかなりの悪評を聞いていて、ちょっとドキドキしていましたが、親切でしかも優秀な運転手さんにあたりました。賢く市街地の渋滞をさけてスイスイと。古くて判りにくい複雑な通りにあるホテルを探して、道行く人に尋ねてくれたり。まあ、こればっかりは人によるみたいで。今回の会議参加者の中には、とんでもない金額を請求されたケースもあったようです。
ラッキーにも気持ちよく到着したホテルの入口。こう撮影すると、小さいけれど小洒落たホテルに見えます。まあ、建物は少し古めですが。
イスタンブールは世界的な観光地で、ホテル代金もかなり高いのです。
配偶者が出席する会議場に一番近くて、手頃な値段のホテルはここしかなかったそうで。
部屋は広くて快適でした。写ってませんが、もうひとつベッドがあってツイン仕様です。
部屋が快適なのには安心しましたが、その後マイナーなトラブル発生。
シャワーがお湯にならないのです。
配偶者は外国の寮に滞在したときに水シャワーは体験済みなので、仕方がないと達観していますが、正直私には一大事。結構蒸し暑くて汗もかくので、シャワーは必須なのに。水シャワーに慣れるしかないんだろうか…。タオルで拭くしかないのか。ちょっと涙目。
ダメ元でフロントにかけあうと、明日の11時には治るから大丈夫、とあっさりと言われました。
なんとなく、よくあることって感じ。水回り、古そうだもの。
結局フロントの係の人の言った通り、シャワーはその後はちゃんと機能してくれたので、幸いでした。
ホテルのある通り、オスマンベイ地区。
いわゆるイスタンブールの観光の中心である旧市街からは距離のある商業地区。生活の匂いのする場所でした。ドネルケバブを売る店が並んでいて、通りかかると「よってかない?」と客引きされます。
ゴミゴミしているというか、実際にゴミが舞っていたり。慣れるまではちょっとかかりましたが、住めば都というか、最終的にはこの生活感のある街がとても気に入りました。
多分、旧市街や新市街のヨーロピアンスタイルの四つ星ホテルやアメリカ系列のホテルにいては見えないものが見えたんじゃないかと思います。
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