ようやく長かった残暑も終わって、出かけても体力の消耗が少なくなった11月の初頭、
宗像大社に行ってみました。宗像大社といえば、福岡近辺の車がよくお札やステッカーを貼っている有名神社です。
まあ、神社にはまるまでは、私自身もそういった認識しかなかったんですが、この宗像さん、とても古く、由緒ある神様のお社なのでした。
旅行日程 2013年11月2日
日本各地に七千余ある宗像神社、厳島神社、および宗像三女神を祀る神社の総本社。全国の弁天様の総本宮。裏伊勢と称される。とのこと。世界遺産厳島神社も、宗像からの勧請です。
そして裏伊勢ですよ、裏伊勢。なんか裏柳生みたいじゃん。「子連れ狼」みたいじゃん。などとついつい俗なことを思ってしまいますが(^^;;;
宗像三女神は記紀神話では天照御大神が須佐之男命(すさのを)の十拳剣を譲り受けて生んだとされています。記紀ともにその記述が定まらず、とにかくもともと北九州の海人集団胸形氏の氏神だったようです。
沖津宮 - 田心姫神(たごりひめ)中津宮 - 湍津姫神(たぎつひめ)辺津宮 - 市杵島姫神(いちきしまひめ)の三女神。もともと海上交通の守り神だったのですが、近代になって交通すべての神様に。神様も守備範囲が勝手に広がって大変です。
[10回]
鳥居をくぐるとまずは心字池、紅葉にはまだまだですが、色の変わっている葉もちらほら。確実に季節が変わっていることがわかります。
市杵島姫神(いちきしまひめ)をお祀りする辺津宮本殿です。お参りしようと思ったのですが、ただいま改修中。厚いベールのその向こう。あちゃー。しまったな。
とはいえ、となりには仮殿があって、ここでお参りすることはできます。
境内の片隅にご神木の楢の木。ぐねぐねとした古木で、貫禄があります。宗像神社のご神紋はこの神木にあやかって楢なのだそうです。
楢のご神木の横にある入り口から高原参道へ。
この参道から、沖の島の沖津宮(おきつみや) にいらっしゃる田心姫神(たごりひめ)、筑前大島にいらっしゃる中津宮(なかつみや) : 湍津姫神(たぎつひめ)をお迎えする第二宮(ていにぐう)、第三宮(ていさんぐう)へと向かい、さらには古代よりの齋の場、高宮斎場に向かいます。
参道の両側は深い森。その植生がバラエティに富んでいて、常緑樹も多い森です。こういった貴重な森は神社に遺されていることが多いのよね。私が神社好きになった理由のひとつです。
道の途中にはもうひとつのご神木、相生の樫。相生とは一つの根元から二つ幹が分かれて伸びること。また、2 本の幹が途中で一緒になっている ことをいいます。神社にはこういう相生をご神木としたところが多く、縁結びや夫婦和合の象徴となっているようです。
横道に入って、第二宮(ていにぐう)、田心姫神(たごりひめ)をお迎えする場所です。伊勢と同じ唯一神明造で、宗像三女神をいかに重要な神様なのかわかります。
第二宮のとなりには第三宮(ていさんぐう)湍津姫神(たぎつひめ)をお迎えする場所です。第二、第三ともにほぼ同じ形。
海上はるか遠く、また現在でも女人禁制の沖の島に足を踏み入れることができない人でも、この第二宮第三宮に参拝することで、その2つの島に参ったのと同じことになるのだそうです。
また高宮参道に戻り、奧の宮である高宮斎場に行きます。とっても素晴らしい森なのですが、近くを工事しているらしくて、大きな騒音がしていました。うう艶消し。もったいない。いや、仕方がないけどさ。
しかし木漏れ日も優しく、ほわーっとした気分になれる森ではあります。
こちらが高宮斎場。さすがにこの斎場まで辿り着くと工事の音も消え、静寂と荘厳な雰囲気に包まれます。
宗像大神御降臨の地、だそうです。
もともと日本の神道は、こういった神籬(ひもろぎ)や磐倉(いわくら)に神が直接降りてこられるという信仰のもとにお祀りをしていました。そんな原始のかたちをそのまま残した斎場は全国でも数少ないとか。
いきなり謎の古代史の世界に迷い込んだ気分です。
正直圧倒されて、近くから写真を撮るのもはばかられます。これは斜め横から。
この高宮斎場では現在もきちんと秋に
お祭が行われているそうです。この環境での夜神楽、是非見てみたいです。
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