東武日光から世界遺産めぐりの巡回バス。バスの中は外国人率が高くて、ほとんど日本人を見かけません。ヨーロッパ系、アジア系、入り乱れての国際色豊かなバスです。
なお、日光の路線バスおよび観光バスは一回一回乗ると結構金額が高いです。フリーパス券が各種発売されているみたいなので、これを利用したほうがかなり格安のよう。私は下調べがまずくて買わなかったので、後から後悔しました。
さて、世界遺産めぐり巡回バスを最初の停留所で降り、外国人観光客が向かっている方向へ行くと、東照宮とその周辺の神社仏閣へのチケット売り場がありました。
6種類ほど参詣できて1000円の基本チケットを入手して、出発。(ただし、眠り猫などは別料金とのことでした。)
午前中しかないので、ちょっと急がなくちゃ。
写真は三仏堂です。
五重塔は極彩色。丁度法隆寺の五重塔が時間にあらわれていなければ、こんな感じだったかもしれません。いきなり、どこの国の仏教寺院だろうと思うくらい。
枯れた五重塔ばかりを見つけている目にはかなり刺激的です。
そして東照宮メインの陽明門。華やかな作りは、東照大権現、いや、できたばかりの徳川幕府の権威の象徴。まるで豪奢な髪飾りのよう。
近づいて見るとその細工の細かさにはびっくりします。
絢爛豪華が基本であった安土桃山の息吹を残して、金や銀で彩られ、これでもかとばかりに満艦飾。
それにしても、東照宮境内の木々はすばらしい森を形成しています。鎮守の森として手をいれ保存されていた貴重な自然。
丈高い杉は天を突く高さ。
私が神社仏閣が好きな理由のひとつは、長い年月を手をかけられてきた「緑」を心静かに楽しむことができること。天気も上々とあって、涼やかな気分です。
この木々のアーチを抜けると、二荒山神社にでます。
二荒山(ふたら)神社の社の裏のほうには、湧き水を祀ってある場所がありました。
日光も地下水に恵まれ、水の美味しい場所です。泉を神と祀ることで、その水を澄明さを守ってきたのでしょう。
午前中に全部まわってやろうと駆け足で山道を巡り、お堂を歩き回ったのでさすがにちょっと疲れてきました。
二荒山神社の湧き水を使っているのか、ひっそりとした茶店が境内の中で発見。ちょっと一休みです。
まだ午前中なので、お店に入る人は珍しく、私ひとりでした。午前の光がお店の中に差し込み、ガラス窓から見える日光の木々が美しいです。
コーヒーはペンションで頂いたので、ここでは御抹茶をいただきました。ま、神社の中ですから、雰囲気も大事。
歩き回って乾いた喉に、茶のやわらかな苦みが拡がり、人心地つきました。お薄はカフェインがコーヒーよりさらに入っているので、元気になります。
さて、後もう少し。
さらに山道を上へ上へと登ると、家光の霊廟、大猷院に行き着きます。ほぼ東照宮と似たような建築ですが、黒の漆を多用することで、少しだけ落ち着いた雰囲気になっています。
かなり登ってきたので、さらに山の気が濃く。閑かな佇まい…。
(ただし、団体さんといっしょになっちゃう可能性も高いです。世界遺産めぐりバスに日本人が少ないと思ったらみんな観光バスで団体で回っているんですね。)
大猷院を離れたところで、再び世界遺産めぐりバスに行き合い、神橋(しんきょう)という橋のところまで乗りました。
前日ペンションの方に薦められた美しい景勝で、是非写真に撮りたかった場所です。
(って、あんまりいい写真に撮れていません。)
すでに紅葉が盛りを過ぎているので、茶色くなってしまっていますが、10月の中旬くらいは、山々は燃えるような赤で染まっていたそうです。ただし、その頃はもちろん観光客ラッシュ。道路はすさまじい渋滞だったそう。
山を染める錦を見たいけれど、あまりのラッシュは考え物だなあ。
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